セクシュアルマイノリティ・同性愛/映画・ブックレビュー

ドラァグクイーンが活躍する舞台『Lipsynca』(4ページ目)

今週末はいよいよシルバーウィークの3連休。レインボーマーチ札幌に行かれる方もいらっしゃるでしょうし、Shangri-Laなどのゲイナイトを楽しむ方も多いことでしょう。新宿では、ドラァグクイーンが活躍する『Lipsynca~ヒールをはいたオトコ!?たち~』という舞台の公演があります。二丁目からも近いハコですし、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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「離れ業」を実現した立役者の方たち

リプシンカ

脚本家であり、この芝居の生みの親である仲谷さん。彼がいなければこの素敵な舞台も実現していませんでした

この『Lipsynca』を観た一般の観客は、おそらく、華やかなステージングや笑いというエンターテインメントに魅了され、家族の人情話というわかりやすい物語に感情移入していくうちに、いつの間にかゲイに対する見方が変えていくのではないかと思います。「バカにしてよい存在」「嫌悪される存在」から「カッコいい存在」「尊重されるべき存在」へ――そんなふうに認識がひっくり返るように作られている芝居なのです。それは、TVや商業演劇などのメジャーなギョーカイでは非常に難しいこと、ある意味「離れ業」です。ゲイカルチャーを愛し、ゲイプライドを捨てず、とんでもない熱意を持ち、努力しつづけた末に、この「離れ業」が成し遂げられたに違いありません。

この舞台を企画し、脚本を書いたのは、吉本興業の『マンスリーよしもと』を中心に、エディター、ライター、構成作家として活躍し、吉本興業の舞台の構成なども手がけてきた仲谷暢之さんという方です。同時に『バディ』誌で「KANSAI GAY TIMES」を連載したり、大阪の「switch」等のステージに姉様キングスを登場させたり、「PluS+」でもボランティアをつとめたりという活躍・貢献をしてきた方でもあります。仲谷さんこそが、この『Lipsynca』の生みの親であり、彼の熱意なくしてこの舞台はありえませんでした。心から拍手を贈りたい気持ちです。

リプシンカ

彦摩呂さんやプロデューサーの方をはじめ、多くの方たちが仲谷さんの思いに共感し、協力してくれました

また、彼のよき理解者である彦摩呂さんや、大阪公演を観てこの芝居をぜひ東京でも上演しようと動いてくれたプロデューサーの渡邉さんという方の協力もあって、今回の東京公演が実現しました。彦摩呂さんは、ゲネプロ終了後のメディア向け囲み取材で「目に見えない性の壁が低くなったんじゃないかな。ドラァグクイーンってカッコいいじゃんと思われたい」と語り、懐の深さを感じさせました(女装こそしていませんが、ゲイ役を快く引き受けてくれたというだけでも素敵です)

『Lipsynca』は二丁目から程近い「シアターサンモール」で19日(祝)まで上演されます。この3連休の間にぜひ、お出かけください。

リプシンカ

 

Lipsynca~ヒールをはいたオトコ!?たち~
日程:2011年9月14日(水)~19日(祝)
会場:シアターサンモール(東京都新宿区新宿1-19-10サンモールクレストB1)
料金 (全席指定・税込) :前売¥5,500、当日¥6,000
問合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337 (10:00-19:00)
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