企業のIT活用/IT経営の基礎知識

インターネットの管理者は誰?(3ページ目)

ウェブサイトから情報収集し、電子メール、ソーシャルメディアを使って毎日コミュニケーションをとっています。今ではインターネットなしの生活が考えられないほど大切なインフラ。このインターネットって誰が管理しているのでしょうか。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド


コーヒーポットを制御するジョークRFCもある

コーヒーポットを制御するためのプロトコルがある

コーヒーポットを制御するためのプロトコルがある

冗談好きの技術者が集まっているため、毎年4月1日にジョークRFCが発行されます。有名なのがコーヒーポットを制御するためのプロトコル(HTCPCP)。

コンピューター技術者は夜遅くまで仕事をすることが多く、必須アイテムがコーヒーとなります。そこで考えられたのがコーヒーポットを制御、監視、診断するためのプロトコル。

朝起きた時にいれたてのコーヒーを飲みたい、夕食時にコーヒーの準備時間を短縮したいために考えられたプロトコルです。まあラクしてコーヒーをいれたいということです。

ミルクタイプ、シロップタイプ、甘味料タイプ、香料タイプ、アルコールタイプのオプション指定が可能ですがカフェインぬきのコーヒー用オプションは、そんなのコーヒーじゃないという理由から含まれていません。

ジョークRFCには他にも伝書鳥によるIPデータグラムの送信に関する標準(RFC 1149)などがあります。

日本にはWIDEプロジェクトがある

日本では1988年に始まったWIDEプロジェクトがあります。作ったのは村井純教授。

インターネットに関する研究プロジェクトで企業や大学など100を超える団体が参加する、ゆるやかな組織で成りたっています。日本のインターネット黎明期、プロバイダー間はそれぞれが相互接続していました。そこで1カ所で効率良く相互接続するための設備を設けました。これがIX(インターネット・エクスチェンジ)です。

日本最初のIXは1994年に神保町にある岩波書店一ツ橋ビルの地下に設置されました。この日本初のIXを設置したのがWIDEプロジェクトです。その後も次々とIXを設置。また世界に13しかないDNSのルートサーバですが、一つは日本に置かれWIDEプロジェクトで管理しています。他はアメリカ10、スウェーデン1、オランダ1です。

インターネット全体を管理する管理者は存在せず、ボランティアが集まりIETFのような組織を作ってワイワイガヤガヤ議論しながら方向性を決め、標準化を決め運営しています。全世界の叡智が集まってインターネットが運営されていることを、ぜひ覚えておいてください。

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