黄山の歩き方

猴子観海

上段左にポツンと乗っている岩が猴子観海。まるで猿が山々を眺めているように見える

黄山には400以上の名勝があるといわれるが、山々を複雑に貫く山道を通ってこれらすべてを見るのはさすがにたいへんだ。
九龍滝

九龍滝。冬には滝が凍りつく

主な登山口はふたつ。前山と後山に登山口があり、ここまでバスやタクシーが出ている。前山にあるのが慈光閣で、慈光閣から玉屏楼まで玉屏索道というロープウェイが出ている。一方、後山には雲谷寺があり、雲谷寺から始信峰に雲谷索道というロープウェイが出ている。慈光閣→玉屏楼→雲谷寺→始信峰、あるいはその逆に回るルートが一般的で、これで名勝の多くを訪ねることができる。 

オススメしたい名勝は、まずは三大主峰でいずれも眺めがすばらしい。蓮華峰は黄山の最高峰で最高の絶景が見渡せる。光明頂は日の出の名所、天都峰はすさまじい絶壁・怪石の上にあり、やはり景色が見もの。いずれも人がひとり通れるだけの断崖などもあり、体力を使うので、十分気をつけて登るようにしよう。
飛来石

左上段の細長い岩が飛来石。山との接点がとても小さく、飛んでいるように見えることから名がついた

怪石で有名なのは、孫悟空が落としたという伝説が伝えられている飛来石や、猿が岩の上から山々を望んでいるように見える猴子観海など。 

奇松には玉屏楼近くにある迎客松や送客松、始信峰近くにある松黒虎松、岩に筆のような松がスラッと伸びる夢筆生花などがある。といっても、不思議な形の松はあちらこちらにあってキリがないほど。
人ひとりがやっとで通れる階段

人ひとりがやっとで通れる階段。坂はとても険しい

これらを回るだけなら日帰りも可能だが、名勝はまだまだたくさんあるし、奥にある太平索道というロープウェイに行ったり、夕景や日の出を見るためにも、山頂付近で1泊はしたいものだ。

1年の200日以上が霧と雲に覆われるといわれるように、雨が降ることもあるし、雲海がまったく見れないこともある。2~3日は用意して、のんびり風景を楽しみながら雲海が現れるのを待ちたい。 

黄山への道

雲海の上に顔を覗かせる峰々

雲海の上に顔を覗かせる峰々

■エアー&ツアー情報
日本から黄山に出かけるなら、中国の玄関口として上海や杭州に行くのが一般的だ。上海へはANA、JAL、中国国際航空、中国東方航空などが直行便を出しており、日本各地からアクセスできる。杭州へは札幌、成田、大阪、静岡、沖縄などから直行便が出ている。格安航空券で3万円前後から。

黄山見学の起点となるのは黄山市。駅なら黄山駅か屯渓駅、空港なら黄山屯渓空港を利用する。陸路で黄山や沌渓へ行く場合は電車かバスになるが、早いのは高速鉄道(新幹線)で、上海から5時間弱、杭州から3時間強。
「安徽南部の古村落 - 西逓・宏村」、宏村南湖

「安徽南部の古村落 - 西逓・宏村」、宏村南湖の美しい石橋

■周辺の世界遺産
黄山山麓には「安徽南部の古村落 - 西逓・宏村」という世界遺産がある。西逓は桃源郷を思わせるのどかな景色から「桃花源里人家」といわれ、宏村は水墨画のような美しさから中国中から人々が写生に訪れる「中国画里郷村」と呼ばれて愛されている。黄山に行くならぜひ訪れることをオススメしたい。

また、マルコ・ポーロが「世界でもっとも美しい街」と称した杭州と、「東洋のベニス」と称えた蘇州も訪れたいところ。ともに水の都で、杭州には世界遺産「杭州西湖の文化的景観」があり、蘇州には世界遺産「蘇州古典園林」がある。上海→蘇州→杭州→黄山というルートがオススメで、すべて高速鉄道で移動ができる。