黄山の歩き方
上段左にポツンと乗っている岩が猴子観海。まるで猿が山々を眺めているように見える
九龍滝。冬には滝が凍りつく
オススメしたい名勝は、まずは三大主峰でいずれも眺めがすばらしい。蓮華峰は黄山の最高峰で最高の絶景が見渡せる。光明頂は日の出の名所、天都峰はすさまじい絶壁・怪石の上にあり、やはり景色が見もの。いずれも人がひとり通れるだけの断崖などもあり、体力を使うので、十分気をつけて登るようにしよう。
左上段の細長い岩が飛来石。山との接点がとても小さく、飛んでいるように見えることから名がついた
奇松には玉屏楼近くにある迎客松や送客松、始信峰近くにある松黒虎松、岩に筆のような松がスラッと伸びる夢筆生花などがある。といっても、不思議な形の松はあちらこちらにあってキリがないほど。
人ひとりがやっとで通れる階段。坂はとても険しい
1年の200日以上が霧と雲に覆われるといわれるように、雨が降ることもあるし、雲海がまったく見れないこともある。2~3日は用意して、のんびり風景を楽しみながら雲海が現れるのを待ちたい。
黄山への道
雲海の上に顔を覗かせる峰々
日本から黄山に出かけるなら、中国の玄関口として上海や杭州に行くのが一般的だ。上海へはANA、JAL、中国国際航空、中国東方航空などが直行便を出しており、日本各地からアクセスできる。杭州へは札幌、成田、大阪、静岡、沖縄などから直行便が出ている。格安航空券で3万円前後から。
黄山見学の起点となるのは黄山市。駅なら黄山駅か屯渓駅、空港なら黄山屯渓空港を利用する。陸路で黄山や沌渓へ行く場合は電車かバスになるが、早いのは高速鉄道(新幹線)で、上海から5時間弱、杭州から3時間強。
「安徽南部の古村落 - 西逓・宏村」、宏村南湖の美しい石橋
黄山山麓には「安徽南部の古村落 - 西逓・宏村」という世界遺産がある。西逓は桃源郷を思わせるのどかな景色から「桃花源里人家」といわれ、宏村は水墨画のような美しさから中国中から人々が写生に訪れる「中国画里郷村」と呼ばれて愛されている。黄山に行くならぜひ訪れることをオススメしたい。
また、マルコ・ポーロが「世界でもっとも美しい街」と称した杭州と、「東洋のベニス」と称えた蘇州も訪れたいところ。ともに水の都で、杭州には世界遺産「杭州西湖の文化的景観」があり、蘇州には世界遺産「蘇州古典園林」がある。上海→蘇州→杭州→黄山というルートがオススメで、すべて高速鉄道で移動ができる。