自動車保険の契約更新を断られたら、どうする?
自動車を運転する以上、自動車保険を契約しておかないわけにはいきません。しかし自動車保険の契約更新の際、更新を断られてしまうことがあるのです。自動車保険の契約更新を断られたら
自動車保険の契約は断られる=引受拒否されるのか?
自動車保険の契約には、これから新たに自動車保険に加入する「新規」契約と、すでに自動車保険に加入している「継続、更新」契約があります。さらに継続契約には同じ損害保険会社で継続する場合と、他社に切り替えて契約する場合があります。自動車保険は契約である以上、当然断られることがあります。前年と同じ保険会社、同じ自動車、同じ契約内容でも、状況によっては契約の更新を断られることがあることは変わりません。
はじめて自動車保険に加入するケースで断られることは通常はないでしょうから、すでに自動車保険の契約があって同じ損保で継続あるいは他社の損保で継続するケースで引受拒否されるケースがあります。理由は前契約以前の事故です。
契約者がどこの損害保険会社で契約するのも自由であるのと同じように、損害保険会社も契約者を選択することがあるのです。
ダイレクト系の通販の損保は、多くの顔の見えない人が流れ込んでくるため、加入の段階である程度、契約を引き受ける対象を絞っています。「契約できない場合」あるいは「WEBで見積・申込みできる条件」のただし書きなどが必ず記載されています。
自動車保険の契約が断られるのは、どんなとき?
自動車保険の契約が断られるのは具体的にどんなときでしょうか。一番多いのは、過去に事故が多いケースです。保険会社ですから、自動車保険に限らず事故が多い、保険金の支払が多い契約者はあまり歓迎されません。- 事故の多い契約者
- 1年間の契約期間中に複数の事故(2件以上など)
- ノンフリート等級の割引(割増)率が1等級 など
1~20等級のノンフリート等級制度。1等級になるということは、少なくても直近で2回以上事故があったということ。
1等級になるということは、少なくても直近で2回以上事故があったことになります。このためどこの保険会社でも歓迎される契約ではないと思っていてください。
また事故が複数あっただけでは契約は断らないケースも当然あります。もともと事故が多い、ノンフリートの等級が割増のままなど悪い条件が重なるケースでは引受を拒否されるケースはあるでしょう。
考えられる一般的な理由を記載しましたが、自動車保険の契約更新を断る(引受拒否)の基準については、各社がそれぞれ決めているので必ずしも統一されたものではありません。
自動車共済の場合の注意点
共済(自動車共済)の場合、契約できるかどうかより、まず等級が引き継げない場合があります。共済から損保、損保から共済などへの変更時にはまずこの点をよく確認してください。一般的にメジャーな共済なら最近は等級の引継ぎができるケースは多いです(割引はもちろん割増も引き継ぐ)。共済から損保に契約が引き継げる場合でも、事故の有無について共済の確認印などが必要なケースもあります。
なおノンフリート等級1等級の契約は、どこでも歓迎されないのは解説した通りです。4等級以下ですと、3等級ダウンの事故を1回やると翌年1等級になるので注意してください。
1等級に該当する人などには考え方として知っておいてほしいのですが、一番割増が高い分、保険料も高くなります。契約者からすれば高い保険料を支払っているという感覚だと思いますが、損保会社や保険代理店などからすると保険料は高くても実は利益率はとても低いのです。
事故が遭ったことは仕方がないことですが、自分で今の状況を自覚しておくことは重要です。
また損保会社によりますが、契約拒否でないにしても事故があると契約に条件をつけられることがあります。例えば車両保険の免責金額を増やしたり、対人賠償保険に免責をつけたりなどです。1年間無事故ならまた元の内容に戻せるのですが、こうしたケースがあることは知っておきましょう。
自動車保険の契約が断られたらどう対処する?
実際に自動車保険の契約を断られたら、どうすればいいのでしょうか。事故が多いことやノンフリート等級1等級などが理由であれば、ダイレクト系よりは保険代理店を経由する方法がいいでしょう。ノンフリート等級制度は割引割増を引き継ぐので、データをマッチングします。嘘を言って契約しても後で分かりますので誤魔化すようなことはしないようにしましょう(契約名義を配偶者などに変えてもまず分かります)。その場ですぐ分かるわけではありませんが、後でバレますから心証が悪くなるだけです。
割引も割増も引き継ぐということは、必要な情報(事故の有無など)が共有されているということです。この情報は13か月は記録が残ります。その間自動車に乗らないという方法もありますが、自動車が生活に深く関わっている場合、実際には難しいでしょう。
例えば事故が何度も続いて1等級になっても、毎度同じ契約者が何度も事故を起こすのと、たまたま自分と子供が別々に事故を起こしたのとは印象は違います。保険代理店等に状況を正確に伝えた上で、自動車保険の契約を引受について相談してください。
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