カーメンテナンス/車のトラブル

オーバーヒートの対処法とは? もしもに備えて知っておきたい!

最近の車ではなかなか起こらないとはいえ、いざオーバーヒートが起こったときの対処法は知っておきたいものです。エンジンルームから煙が立ち上がり、水時計の針が振り切っている状態であたふた...! なんてこのないよう、対象法をご紹介します。

執筆者:宮島 小次郎

対象法1.まずは速やかに車を停車させる

水温計

オーバーヒートの兆候が真っ先に表れるのが水温計だが、国産車などでは実際に水温計の針が動き出すころには、すでにかなり危険な状態になっていることも

最近のクルマでは少なくなってきたとはいえ、絶対にあり得ないとは言えないトラブルが、エンジンのオーバーヒートです。特に古めのクルマや輸入車など、もともとの冷却性能が不足気味なクルマでは、夏場の渋滞など、水温が上がりやすい状況では注意が必要です。

走行中に突然、エンジンルームから水蒸気が立ち上ってきたり、水温計の針がぐんぐん上がっていくのを目にしてしまったら、なかなか冷静になって対処するのは難しいものですが、そんなときも基本的な対策法さえ分かっていれば、慌てずに対処できるというもの。

では、その対策法ですが、まずエンジンルームから水蒸気が見えたり、メーターパネル内で水温上昇の警告灯が点灯しているのに気付いたら、まずは水温計を確認すること。水温計の針が通常よりも高い位置を指しているようであれば、オーバーヒートの可能性が高いので、周囲の安全を確認しながらスピードを落とし、安全なところにクルマを停止させてください。

水蒸気がエンジンルームから立ち上っているようですと、いきなりボンネットを開けるのは危険ですから、速やかにエンジンを停止して、水蒸気がおさまるのを待ちます。水蒸気は見られず、警告灯や水温計からオーバーヒートが予想される場合は、ボンネットを開けてラジエターのリザーバータンク内の水量を確認します。

リザーバータンクに十分な冷却水が残っている場合は、エンジンを切らずに、ヒーターを全開にすることで水温上昇を抑えられることもあります。冷却水が全く入っていない、もしくは水量が確認できないという場合は、エンジンを止めて、ボンネットを開けた状態にして、エンジンが冷えるのを待ちます。

このとき、ラジエターに水を入れようとして、ラジエターキャップを開けるのは厳禁です。熱い水蒸気が噴き出して火傷をする危険があるのはもちろん、ラジエターキャップによる圧力が抜けることで、冷却水の沸点が下がり、一気に冷却水が沸騰し、さらにオーバーヒート傾向を加速させることになるからです。

 

対処法2.冷却水を継ぎ足して走行後は点検で原因を探る

リザーブタンク

オーバーヒートを起こしたら、まずはリザーブタンクで冷却水の量を確認する。リザーブタンクがないクルマでは、十分にエンジンが冷えてから、キャップを外して水量を調べる

ある程度エンジンが冷えてきてからの対処法ですが、冷却水が減った分、水を継ぎ足して走行することも可能ですが、そのあたりは冷却水が減った原因にもよります。例えば、ラジエターホースが裂けたりして、そこから冷却水がダダ漏れというような状態では、いくら水を継ぎ足しても焼け石に水です。

そうした明らかな冷却水の漏れが確認できないくらいの状態であれば、水を規定量まで入れてエンジンを掛け、しばらくアイドリングの状態で水温の上昇や冷却水の漏れがないことを確認した上で、最寄りの整備工場までなど、短距離の走行が可能な場合もあります。

ただし、オーバーヒートの原因が分かっていないのですから、いつまた再発するかもしれません。また、オーバーヒートによって、すでにエンジン内部にダメージを受けている可能性も考えられますから、少しでもいつもと違う兆候を感じとったら、すぐにエンジンを停止させるなどの対応も必要になります。

いずれにしても、エンジンになるべく負荷を掛けないよう注意しながら運転し、速やかに修理工場などに点検整備を依頼すべきです。防さび効果のある冷却水の代わりにただの水を入れてしまうと、エンジン内部は簡単にさびが発生してしまいますから、オーバーヒートの原因を探るのはもちろん、早急に冷却水に交換する必要があるのです。

冷却水漏れの状態が把握できない、ラジエターキャップの位置が分からない、といった場合には、無理をせずにロードサービスを呼び、最寄りの修理工場などへ運んでもらうのが確実です。

こうしたオーバーヒートは、日頃のメンテナンスによってかなりの確率で防ぐことができます。その方法は定期的に冷却水の量を確認し、水量の変化がないかを確認することです。基本的に冷却水は問題がなければ、量が減ることはありませんから、量を確認することでトラブルの早期発見、すなわちオーバーヒートの防止に繋がるわけです。旅行や帰省など、長距離を走行する前にも、冷却水量はしっかり確認しておきたいものです。

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