早めに傷みを発見すれば出費も抑えられる

ドライブシャフトブーツ画像

ドライブシャフトブーツ画像

FFや4WDのフロントホイールとドライブシャフトの接続部には、サスペンションの上下動やステアリング操作によってあらゆる方向への曲げ力が加わる。 

そこで、そのような位置変化を吸収しながら自在に折れ曲がり、かつ力を伝えることができる「自在継ぎ手(ユニバーサル・ジョイント)」が考案された。が、スムーズに回転させるためには入力側(デファレンシャルギア側)と出力側(ホイール側)の速度を等しくする必要もある。それを可能としたのが「等速ジョイント」と呼ばれるタイプで、ドライブシャフトの接続部に取り付けられており、防水用のラバーブーツで覆われている。剥き出しでは走行中に路面から跳ねた泥汚れにさらされてしまい、砂埃が堆積してしまうとスムーズに動けなくなるからだ。

ドライブシャフトブーツは経年劣化する

ドライブシャフトブーツは経年劣化する

しかし走行中は、そのラバーブーツ(ドライブシャフトブーツ)にもあらゆる方向への曲げ力が加わるわけで、路面から跳ねた泥汚れや有害物質も付着する。このため、経年劣化しやすく、年数が経過すると確実にヒビ割れてくるのだ。そして、それを放っておけば切れてしまい、そのまま走り続ければ引き千切れてジョイント部が剥き出しになってしまう。

そんな状態になる充填されているグリスが遠心力で周囲に飛散してしまい、内部に水が侵入することでサビたりガタ付くなどのトラブルに発展。最悪のケースではドライブシャフトごと、アッセンブリで交換(新品だと1本で5万~6万円する)せざるを得なくなるので要注意!また、ドライブシャフトブーツが切れていた場合、車検も通らないため、ヒビ割れを発見したら、ただちに交換することが大切だ。

ドライブシャフトブーツをヒビ割れた状態にすると、シャフト本体も痛める

ドライブシャフトブーツをヒビ割れた状態にすると、シャフト本体も痛める

なお、ドライブシャフトブーツの交換にはドライブシャフトの脱着を伴うため、一般ユーザーがおいそれと手が出せる作業ではない。内容的に重整備となるため工賃もそれなりにかかるが、被害が拡大する前に素直に修理に出すことをおすすめする。また、ラバーブーツの寿命は使用環境によって異なるが、状況によっては5~6万kmで切れることがあるため、ホイールを外したときは必ずチェック。これを習慣づけておきたい。

ドライブシャフトブーツの交換方法

■手順1 ハブから分離する
手順1 ハブから分離する

手順1 ハブから分離する

リフトアップしてタイヤを取り外し、アクスルハウジングをロアアームから分離。アクスルナットを外してドライブシャフトの頭部をプラハンで叩き抜いてハブから押し出してやる。なお、固着していたときはプーラーの利用が原則となる。

 
■手順2 手前に抜き出す
手順2 手前に抜き出す

手順2 手前に抜き出す

ストラットを手前に引きだしつつアウターレース部を引き抜き、ハブのスプラインからドライブシャフトを手前に引き出すようにして取り外す。

 
■手順3 ドライブシャフトを確認する
手順3 ドライブシャフトを確認する

手順3 ドライブシャフトを確認する

これがドライブシャフト。両端にセットされている円錐形の蛇腹部分がドライブシャフトブーツで、一般に右のホイール側の「アウターブーツ」が切れやすいが、劣化は「インナーブーツ」側にも同時に進行している。分割式で手軽に交換できる「アウターブーツ」も市販されているが、長く乗るつもりでいるなら分解してアウター/インナー共に同時に交換。これがベストだ。

 
■手順4 分解して清掃する
手順4 分解して清掃する(分解の様子)

手順4 分解して清掃する(分解の様子)

手順4 分解して清掃する(分解後)

手順4 分解して清掃する(分解後)


 
「インナーブーツ」側の等速ジョイントを分解して切れたブーツの残骸を取り外し、再使用するパーツを全て、パーツクリーナーできれいに洗浄する。

 
■手順5 専用グリスを充填する
手順5 専用グリスを充填する1

手順5 専用グリスを充填する1

手順5 専用グリスを充填する2

手順5 専用グリスを充填する2


 
等速ジョイント部を元通り組み上げて専用グリスをたっぷり充填し、新品のドライブシャフトブーツを組み付けていく。

 
■手順6 ブーツをセットしてかしめる(固くとめる)
手順6 ブーツをセットしてかしめる

手順6 ブーツをセットしてかしめる

ドライブシャフトブーツ左右端にロックバンドをはめ、専用ツールでしっかり締め込んでから外れないようかしめる。

 
■完成
完成

完成

同様にして反対側のドライブシャフトのブーツを交換(切れてなかったとしても、左右同時が原則)して完成。分解の逆の手順で、元通り車両に組み付ける。なお、アクスルナットは取り外したなら新品と組替えるのが原則だ。

 
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