パリと同じく、アトリエを併設した旗艦店
スエードの内羽シューズ「ケッチ」。ベクデーグル(鷲のクチバシ)」と呼ばれる、コルテらしいトゥの形状と、コントラストカラーのグローブステッチがポイントです。17万8500円(コルテ 青山ブティック TEL:03-3400-5060) Photo:石井幸久
ピエール・コルテは芸術家の母と俳優の父の間に生まれました。フランスの伝統的職人養成ギルド「レ・コンパニオン・ドゥ・デュボワール」を卒業後、技術を習得するためフランス各地を巡る長い旅に出ました。旅を通し彼は靴職人を目指すことを決心し、ベルルッティに入社。入社1年後の若干 23 歳でビスポークシューズのチーフに任命されると、28歳で独立。パリ・ヴァンドーム広場にほど近い裏路地にアトリエを開きます。ビスポークシューズに始まったコルテは、2003年にレディトゥウェア(既成靴)のコレクションを発表。翌年、日本に旗艦店もオープンし、ビジネスはワールドワイドに展開を開始します。
こちらもベクデーグルのコインローファー「ヨール」。ロングノーズのフォルムに、マストに帆を張ったようにそり立つタンが特徴的で足元が引き立ちます。14万8050円(コルテ 青山ブティック TEL:03-3400-5060) Photo:石井幸久
新作シューズは、デザイナーであり職人であるピエール・コルテが気に入っているクリエーションテーマのひとつ、セーリングからインスピレーションを得ています。シルエットは靴のフォルムをヨットに見立てて、マストに帆を張った際の調和のとれたバランスとラインをイメージさせます。どちらもコルテらしい「ベクデーグル」型のトゥを持つフォルムです。長めのスクエアトゥに、チゼルのような先端はクラシックなシューズをパリらしいエッセンスでモディファイしています。カラーレーションは、もちろん購入時にオーダーすることが可能です。
ベルトやソックスなど、靴と合わせてコーディネートしたい小物も置かれています。靴色とベルトのカラーリングをあわせたり、ビビッドカラーのソックスをコントラストを効かせて合わせたりして、コーディネートを楽しむと今年らしいスタイリングが仕上がります
店内は、パリのアトリエの改装に合わせてイメージを統一。グレイの壁にフューシャピンク、ジタンブルーをアクセントカラーに、中央にはゆったりとオレンジのソファが置かれ、まるで隠れ家サロンのようです。新作が並ぶ店内はディスプレイもまるでアートギャラリー。靴の芸術品を鑑賞するように、自分だけの一足を選んだりオーダーしたり、ゆっくりと職人と語らうこともできます。
昨年秋にリニューアルしたパリのアトリエに倣い、今年5月に改装したコルテ 青山ブティックでは、今後、革小物なども充実する予定とか。表通りの喧騒を離れたプライベート感覚のサロンとしても、ぜひ知っておきたい空間ではないでしょうか。
【SHOP DATA】
コルテ 青山ブティック
住:東京都港区南青山6-11-8 M.A.K Flat 1F
TEL:03-3400-5060
営:12時~20時
休:不定
HP:
http://www.corthay.fr/
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