汗かきは薄毛や抜け毛を進行させる? ヘアケア対策
暑い時期に気になる汗が薄毛を進行させる……?
今回は、汗が出る汗孔(かんこう)と毛穴の違い、汗が髪と頭皮に与える悪影響について解説します。猛暑を乗り切るヘアケア法も紹介。
<目次>
汗は毛穴から出ない!
ご存知の通り、ヒトは汗をかくことで体温を一定に保っています。当然、頭皮からも汗が出ます。勘違いしている方が多いのですが、汗は毛穴から出ているわけではなく、汗孔という別の場所から出ています。よく「脂っこいものを食べると、毛穴から脂汗が出る」と言われますが、これはウソ。汗は汗孔から、皮脂は毛穴から出ています。毛穴と汗孔の違いについて
皮膚は正常な場合、ph5.2~5.8の弱酸性に保たれていて、細菌や真菌、緑膿菌などの繁殖を防いでいます。汗をかくことで酸性が薄まり、菌が繁殖しやすい環境になります。また、汗は水溶性ですが、毛穴から出た皮脂と混ざり合い、水分のみが蒸発して脂性の汚れに変化します。さらに、ほこりなどと混ざり合って酸化して固くなり、角栓様物質に変化して毛穴が詰まってしまいます。すると皮脂が毛穴にたまり、抜け毛・薄毛の原因となる、頭皮トラブルを引き起こします。
このように、汗をかきやすい女性が薄毛を進行させる可能性が高い理由は、汗によって頭皮が炎症を起こしたり、菌が繁殖したりして、抜け毛を引き起こす原因となっているというわけです。汗と一緒に毛髪がするっと抜けるわけではありません。
頭皮のにおい、汗のせいではない!?
汗をかくと、頭皮のにおいが気になる女性も多いことと思います。実はこれ、汗そのものがにおうわけではなく、皮脂が細菌により分解されて、においを発しています。頭皮には、皮脂が出る皮脂腺が多いのが原因です。1平方センチメートル当たり、頭皮は144~192個、小鼻は96~102個、わきの下は19~55個といわれています。頭皮には小鼻の1.5~2倍もの皮脂腺があるのですから、においが気になるのは当然ですね。また、頭皮は外気にさらされていて、太陽光線に当たって酸化することで、においが倍増します。とはいえ、ヒトは汗をかいて体温を調整するため、汗が出るのは仕方がないこと。大切なのは、汗をかいた後の対処です。次ページでは、汗をかいた後の対処法について紹介します。
猛暑を乗り切るためのヘアケアのコツも合わせて紹介。
頭皮の汗への対処法
猛暑を乗り切るためのヘアケアのヒントを紹介
首の回りを冷やす
汗は体温調節のための身体の反応ですので、無理に抑えるのは身体によくありません。「わきの下などに利用する制汗スプレーを頭部に使っても良いでしょうか?」という質問を受けますが、「使わないほうがよいでしょう」と答えています。ただし、首の回りは体温が高いため、ここを冷やせば汗を抑えられるでしょう。熱中症対策として発売されている、首を冷やすタオルやバンダナなどを使うのがおすすめです。できるだけ早く汗を流す
シャンプーは1日1回。それ以外はお湯で流しましょう
とはいえ、1日に何度もシャンプーを使うと頭皮に必要な皮脂を洗い流してしまいます。シャンプーを使うのは1日1回にして、それ以外に頭部を洗いたい場合はお湯で流すだけにしましょう。
ちなみに、男性用の涼感シャンプーを女性が使っても問題ありません。暑い時期は、メントールやミント、ハッカなどが入った涼感シャンプーを使うと、頭部がさわやかに感じます。ただ、涼感シャンプーは短時間で「洗った感」を感じやすいため、通常のシャンプー同様、しっかりと頭皮を洗うことが大切です。
参考記事:ヘアケアの基本「シャンプー」にこだわりを
ぬるま湯を使う
頭部を洗う場合は、いつもよりもぬるめのお湯にすると、頭皮の汗を抑えられるでしょう。「水の方が冷たくて気持ちいい」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、水だと温度が低すぎて、シャンプーや皮脂汚れをきれいに洗い流すことができません。冷風でブローする
ドライヤーの冷風機能を使えば、暑くないうえ、節電効果も
シャンプー後は、髪をタオルではさんで手のひらでトントンとたたくようにして、よくタオルドライします。ゴシゴシとこするようにするのはNG。髪の水気をよく切ってからドライヤーをかけるとドライヤーが短時間ですみます。
夏野菜を摂る
夏が旬の野菜(ナス、トマト、キュウリ、スイカなど)は、身体を冷やす効果があるといわれています。身体の熱をとるためには、それらの野菜を食べるのがおすすめです。シャワーですませず、バスタブにつかる
バスタブにつかり、しっかり汗をかきましょう
バスタブにつかることは、クーラーで冷えた身体を温める効果、衰えた(=うまく汗をかけない)汗腺を鍛える効果も期待できます。上手に汗をかけるようになれば、すばやく身体の熱を放出でき、ダラダラと汗をかくことはないそうです。
頭皮を徹底的にきれいにする
気になる頭皮のにおいを抑えるには、頭皮を徹底的にきれいにするのがおすすめ。月に1回程度、サロンで頭皮の状態をチェックし、きれいにしておくと、頭皮トラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。参考記事:スペシャルサロンで体験!夏髪ダメージケア
いかがでしょうか。猛暑を少しでもさわやかに乗り切るための、ヘアケアのヒントを紹介しました。ぜひ試してみてください。
【関連記事】