ストレス/ストレスフリーの思考術

今に行き詰ったら「未来」の自分を見に行こう!(2ページ目)

今の問題に捉われてうまくいかないときは、視線を未来に向けることで、急に視界が開けてくることがあります。問題解決のためのユニークなテクニックをお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

どんなに小さくても、具体的な一歩を踏み出そう! 

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「0歩」と「1歩」の大きな差とは?

「ブリーフセラピー」(短期療法)の日本における研究の第一人者である森俊夫氏、黒沢幸子氏は、著書の中でブリーフセラピーの3つの中心哲学を紹介しています。

<ルール1>
もしうまくいっているのなら、変えようとするな。

<ルール2>
もし一度やって、うまくいったのなら、またそれをせよ。

<ルール3>
もしうまくいっていないのであれば、(何でもいいから)違うことをせよ。

(参考:『森・黒沢のワークショップで学ぶ 解決志向ブリーフセラピー』ほんの森出版)

とてもシンプルですが、私たちはついこうしたポイントを見失いがちだと思います。

たとえば、不登校になりかけていた子がようやく1人で学校に通えるようになった頃に、欲張ってクラブ活動や課外活動を増やし、再び学校生活が負担になったりすることもあります。これは、<ルール1>に背いたケースです。成功しているのに実現すると価値のないことのように思えて、別のことを次々に始める。その結果、結局は何も身についていない。これは、<ルール2>に背いたケース。現状がうまくいっていないのに、同じことばかりぐるぐる繰り返して愚痴ばかり言う……これは、<ルール3>に背いたケースですね。

「タイムマシン・クエスチョン」で「なりたい自分」がイメージできたなら、<ルール3>にしたがって、どんな小さなことでもいいから、それに向かって今とは違うことを試みるといいと思います。漠然と変化を目標にするだけではなく、小さくても違うことを具体的にやることです。

今「なりたい自分」への本格的な活動ができないとしても、そのための情報収集くらいはできるはずです。継続的には活動できなくても、説明を聞きに行ったり、体験参加に応募したり、単発でやってみることだってできるはずです。「0」のままでいるのではなく、どんなに小さくても「1」に進むことが大切。「1」をやれば、「0」では知りえなかった世界を知ることができ、飛躍的に前進できるからです。

書道家の相田みつをさんは、著書『にんげんだもの』(文化出版局)のなかで、『ともかく具体的に動いてごらん 具体的に動けば 具体的な答が出るから』という名言を残しました。最初の一歩こそが、今の自分を変えるターニング・ポイントになるのです。
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