脱水症が幼児と高齢者に多いわけは

木陰に入れば気温は数度下がる

木陰に入れば気温は数度下がる

熱中症と混同しやすい症状に脱水症があります。暑いと汗をたくさんかいて脱水症になりやすいことは事実ですが、脱水症とは体の水分のレベル以下の減少によって生じることですから、寒くても脱水症は起きます。

一般に脱水症状を起こしやすいのは幼児と高齢者であり、青壮年は少ないことになっています。
これは、幼児は体の組織が水分を要求することと、体の体積に比して表面積が広く、水分を放出しやすいことが原因です。一方高齢者の場合は細胞が水分を保持する力が弱く、慢性的に体の水分量が少ない(青壮年にくらべほぼ5%)のと、乾きを覚える感覚が衰え、脱水を自覚しにくことが主な理由とされています。

したがって、脱水症状をネット上で検索しても幼児の脱水や高齢者の脱水(「健康長寿ネット:脱水症」)について解説するサイトがたいへん多くなっています。で、ランナーの場合ですが、ランニング時の発汗によって多量の水分を失えば、幼児や高齢者の脱水症状とまったく同様の状態に陥ることになります。

10km走って1リットルの脱水

20名ほどのランナーに頼んでランニング時にどの程度の水分を失うのか実験したことがありますが、25℃程度でも10kmあたり平均1リットル弱の水分を失っているようです。自分の経験では30℃前後の気温条件で30km程度を走ると、途中給水していても3kg程度の体重(ほとんどは水分)が減少していました。

夏になると夜間の室温も冬よりは高めに設定していると思いますが、それだけに就寝中の発汗量も多くなります。朝練をする方は特に起床直後から練習に走り出すまでの間に多めの水分を補給して下さい。これもランニング中と同じでこまめに給水するようにします。ランニング中はもちろん途中の給水を行うようにしましょう。水分だけでは電解質のバランスが崩れがちですから、スポーツドリンクを活用するのも冬以上に意味のあることです。日常の食事でも塩分を他の季節より多めにしたり、梅干しを食べたりといった工夫をしましょう。

いつの間にかなってしまう脱水症

脱水症状には痛みがありません。なんとなく脱力感が生じてきて体をうごかすことがおっくうになり、頭の働きもぼーっとしてきます。そうなると、自分で積極的に水分をとろうという意識もなくなってしまうのです。

気温が25度はおろか30度にも達しようという状況下でランニングをするということは、脱水症や熱中症に陥る可能性が高いということをよくよく自覚し、事前の給水を忘れず、常に自分の体調を意識していてください。


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