ストレス/女性に多いストレス

産後のメンタルヘルス…ストレスをためない体質づくり(2ページ目)

少子化や核家族化、ご近所付き合いの希薄化などにより、出産後の子育てママの孤立感が問題になっています。今回は、子育て中のママのストレスコーピング術について取り上げます。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

デキル女性ほど、育児がつらい!?

――出産直後の育児は毎日が初めてのトラブルや悩みとの遭遇の連続ですよね

大人になると「できること」の方が多く、コミュニケーションも大人同士のコミュニケーションなのでトラブルがあってもある程度の先の予測がつきますが、生まれたばかりの赤ちゃんの育児はコミュニケーションをこれから育むゼロの状態からの始まりのため、大人同士のコミュニケーションの難しさやトラブル回避の方法とは違う、精神力や忍耐力を必要とすることも増えてきます。

私達の多くは、卒業と同時に男女共に就職するという流れが当たり前の時代にいます。しっかりとキャリアを積んでから結婚、出産をする女性も多いのですが、デキル女性ほど育児がツライという傾向があるように感じます。

仕事である程度の成果を出している、いわゆる「デキル女性」にありがちな完璧主義で神経質な方の場合、100%を目指して仕事に邁進して結果を出してきているため、赤ちゃんとの生活がなかなか思うとおりにいかないことにストレスを感じるようです。

その他にも、ストレスを溜め込みやすい人、ストレス状態に陥りやすい人にはこんな特徴があると言われています。

  • 忙しい生活をしている(してきた)
  • 毎日の生活が時間に追われている(おわれていた)
  • 熱中しやすいタイプ
  • 熱中すると、他へのきりかえがうまくできないタイプ
  • やる以上は、徹底的にやらないと気が済まないタイプ
  • 自分の仕事や、やっている事に強く自信を持っている
  • きちょうめんなタイプ
  • 緊張しやすい
  • イライラしやすい

子育て中に、強いストレスを感じたり焦りを感じて「リラックスが必要…」という時には、その場で眼を閉じて深呼吸してみるだけでもリラクゼーションにつながります。

実は、目を閉じると、脳の感覚関連機能の3分の2を休息させられることができます。授乳中でも良いのでゆったりとした椅子に体を預け、ひと休みすることができると、身体も脳も休息モードに入りやすくなります。
 

「わかるよ」って言ってもらうだけで、心が軽くなる

――内海さんはツイッターを使って育児の悩みを解消できるという提案もされていますが

ツイッターを使い始めた当初は正直子育てにこんなに育児中のママ同士のコミュニケーションやストレス・コーピング(※語彙の詳細は後述)に使えると思っていなかったのですが、育児中に大変助けられています。

例えば、子育てしていると、今まで考えたこともないような悩みが次々と出てきます。一番身近な育児の先輩である母親や義母ですが、世代ごとにスタンダードとされる方法が違うので、親世代と感覚がかみ合わないこともおこりがちです。

しかし、そういうときには一緒の世代で今まさに育児をしているママ同士で話せば解決することも多いのです。

直接的な解決方法が出てこなかったとしても、「わかるよ」って言ってもらうだけで、心が軽くなるため、特にストレスを抱えがちな0歳児育児からコミュニケーションツールとしてツイッターを上手に活用されている方が多いと感じます。

ストレスコーピングという言葉をご存知でしょうか。

ストレスをどのように受け止めて、どのように行動するかということを、「ストレスコーピング」(ストレスに対する対処法)と言うのですが、ストレスコーピングの技術を上手に使うことで、ストレスを溜めにくい体質に徐々に改善しやすくなります。

コーピング技術にはいくつかの方法があるのですが、
一人で全てを抱えこまない
相談上手になる
というものもあります。

特に、低月齢のときは外に出にくいですし、特に去年や今年の夏のように猛暑であったり、雨が降っているだけで外出しづらいため、一日お家にこもり、誰ともしゃべることなく一日を過ごすママもたくさんいらっしゃるかと思います。上記の2点を解消するツールとして、ツイッターは非常に役に立ちメンタルヘルスには良い方向に働きます。

リアルなママ同士の関係を築こうと、区の子育てサークルに訪れても、毎回『はじめまして、お子さんは何ヶ月ですか?』といった表面的な関係しか築けないことも多々出てくるため、子育てサークルを上手に使えない方もいらっしゃるかと思います。

しかし、ツイッターのタイムラインにはその人の生活や考え方を垣間見ることができるので、価値観が似ていたり気が合うママを探しやすく、さらに価値観に共感できるママとは子ども以外の情報を共有しやすいという利点もあります。

実際に、ツイママオフ会というものも多く開催されており、お互いの関係をオンラインで育みながら、リアルでもつながるママ友になれるということで好評のようです。

女性の場合は会話をしながら様々な問題を解決していくところがありますが、忙しい育児中に電話やメールなどのように、お互いの時間をある程度拘束するようなツールは頻繁に使いにくいということもあります。

しかし、ツイッターのように140文字という気軽な文字数を積み重ねながら、物理的には離れていてもお互いを見守りながら、声を掛けやすいこのようなツールをうまくつかうことでストレスを上手に軽減したり、悩みを解決されている方が増えています。

ツイッターはもちろん万能ではありません。しかし、どうしても社会と分断されがちだったり、物理的に、すぐに会える環境に同世代で心の距離が近い友達ママがいなかったり・・・という、ママにとって一人で抱え込んでいる想いや小さな悩みを小出しにして発散したり、同じ状況のママ同士で繋がりやすい会話ツールとして有効活用するというのは、この時代ならではの新しい育児の形なのかもしれません。

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