セクシュアルマイノリティ・同性愛/ゲイライフ

スッキリ!わかる「オネエ系」タレント(2ページ目)

今や「オネエ系」タレントの方たちがテレビに出ない日はないと思いますが、ひとくちに「オネエ系」と言っても、いろんな人が含まれています。今回は「ニューハーフと女装の人はどう違うの?」といった疑問にお答えしてみたいと思います。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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決定版!? よくわかる「オネエ系」講座(1)

はるな愛

持ち前の明るさと親しみやすさで安定した人気を誇るはるな愛さん

ここ数年、はるな愛さん、IKKOさん、マツコ・デラックスさんやミッツ・マングローブさん(をはじめとするドラァグクイーンの方々)、楽しんごさん、KABA.ちゃん、前田健さん、尾木ママ…といった「オネエ系」な方(言葉遣いや仕草がオネエな方)がテレビで大活躍しています。ざっくり「オネエ系」とくくられてはいるものの、はたしてみんな同じ扱いでいいの?とか、女装の人とニューハーフの違いがわからない…などと悩む方がおそらく日本に1000万人くらいいらっしゃると思います。

実際、マスコミの方から「ニューハーフと女装家の人はどう違うの?」などと聞かれることも度々で、たまにはノンケ読者の方向けの記事も書かなきゃなあ…とも思うので、ここで「オネエ系」(主にニューハーフの方と女装の方の違い)について解説してみたいと思います。

ゴトウもドラァグクイーンのはしくれとしてたまにクラブで女装して踊ったりしてますし、実は1997年にフジテレビの「dai-ba-ba」という番組に女装で出演したこともあり(素顔も含めて計3回テレビに出ました)、オネエ系タレントを語るにはなかなか適任なんじゃないかなぁと(そうやって自分を励ましてみる)
正直、正解というものが存在しない(憶測の域を越えない)部分もあったりしますし、もしかしたら間違いもあるかもしれませんが、ゴトウなりに精一杯きちんとまとめてみました。

ではまず、前提として、トランスジェンダーとゲイの違いは何か?というところを(本が何冊も書けるくらいの重みがあるのですが)できるだけコンパクトにお伝えしたいと思います。

■トランスジェンダーとゲイの違いとは?
伏見憲明『ゲイという[経験]』

ゲイについてのバイブルとも言える本。『プライベート・ゲイ・ライフ』もまるまる入っています。より詳しく知りたい方はぜひこの一冊をお手元に。


性には大きく分けて「生物学的な性別(sex)」「性自認(gender identity)」「性的指向(sexual orientation)」の三要素があります。
ノンケ男性であればそれぞれ男性 - 男性 - 女性、はるな愛さんのような方は男性 - 女性 - 男性、楽しんごさんのような方は男性 - 男性 - 男性となります。

はるな愛さんのように身体上の性と性自認との間に違和感を抱え、自身の望む性別で生きたいと願う方をトランスジェンダー、楽しんごさんのように同性を愛する人をゲイ(女性であればレズビアン)、男性も女性も愛する人をバイセクシュアルと言います。(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとったセクシュアルマイノリティの総称がLGBTです)

身体上の性と性自認との間の違和のことを医療上の用語では性同一性障害(GID)と言います(2004年に施行された性同一性障害特例法によって一定の法的な後押しを受けられるようになりました)。が、手術には危険も伴うため、実際はすべての方が手術できているわけではありませんし、そこまでは望まない方もいます。
身体を変えることはせず、たまに女装することを喜びとしている方は、医療を必要としないため、性同一性障害者というよりもアマチュア女装者とか女装家(海外だとトランスヴェスタイトとかクロスドレッサー)と自称する方が多いようです。
男性から女性になりたい方だけでなく、女性から男性へトランスしようとする方、男性でも女性でもない性のありようを望む方なども含めて、トランスジェンダーと言います。

一方、ゲイの方は、体は男性のままでいいと思ってますし、ほとんどは女装もしません。が、昔からゲイシーンでは、女装でお客を楽しませる方たちが活躍してきました(ゲイの文化なのです)。日本ではゲイバーのママなどがそうでしたし、海外ではクラブでパフォーマンスするドラァグクイーンと呼ばれる方たちがそうでした。ゲイシーンでの女装は、ド派手だったり、お客さんを笑わせたりするエンターテイメント的要素が強く、「女性になりたい」と願うトランスジェンダーの方とはかなり方向性が違うのが特徴です(メイクや衣装なども違います)

昔はゲイもニューハーフもほとんど色物とかキワモノ扱いだったと思います。が、1991年、伏見憲明さんが「プライベート・ゲイ・ライフ」でセクシュアリティやジェンダーに関する認識の枠組みを提示し、以降、学会なども含めて一般的に認知されるようになりました。上記のお話も、伏見さんの功績の上に成り立つものです。(そんな偉大な「知の巨人」伏見さんが、今年めでたく作家生活20周年を迎えます。15日に記念パーティが開かれるそうです)

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