セキスイハイムのユニット生産ライン。「再築システムの家」のユニットも検査などを経た上で、新築ユニット同様に新たな設備や資材を取り付けられ、新たなオーナーの住宅として活用される(クリックすると拡大します)
再築システムの家では、古くなった住宅のユニットをセキスイハイムが買い取ります。そして一度、工場に持ち帰り、そこで躯体の耐久性などを確認。そこに新たな設備・資材、仕様を盛り込んで、新たな建物の一部として再生されたユニットを活用するというのが、大きなスキームです。
完全な新築住宅より、再生ユニットを活用した方がコスト的に割安感が期待されますし、何よりユニットのリサイクルは、スクラップ&ビルドにならず、環境の面でも貢献度が高いと言えそうです。
因みに、セキスイハイムはこのような仕組みを応用して、住宅展示場にあるモデルハウスを、移築して販売するという営業手法も採り入れています。ユニット住宅ならではであり、なんだか古民家再生のような感じでもあります。
責任の所在がハッキリした中古住宅なら安心!
さて、ここからは4回シリーズで取り上げてきたストック(中古)住宅のまとめとなります。ストック住宅の問題点は、購入する際、その建物にどのような瑕疵(かし、欠陥や不具合のこと)があるのか、耐震性や耐久性に問題がないのか、などがわからないことがあります。ですから、値頃感に魅了されて購入したストック住宅に住み始めてから問題点が発覚し、その手直しにコストがかかり、割高な住宅購入になってしまうケースもありました。ただ一方で、今回、ご紹介したようなハウスメーカーの事例のように、ストック住宅の分野にも新たな潮流が見られるようになってきました。
要するに、誰が建築し、誰が手直しをしたのか、そして今後も誰がメンテナンスをしてくれるのか、責任の所在がハッキリとしているストック住宅も、市場に供給され始めているということです。
まだまだその数は全体的に見れば少ないといわざるを得ませんが、住宅取得の賢い選択の一つとして、今後はストック住宅の存在感は高まりそう。特にこれから住宅取得を目指す若い方々には、新築に比べてコストの面で割安感がありますから、よく検討されるといいと思います。新築ばかりが「いい家」ではありませんよ!
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