これまでは、ストック住宅(中古住宅)のメリットや問題点、問題点を解消するために、ホームインスペクションという取り組みが始まっていることなどを紹介してきました。それは一般のストック住宅市場のお話。今回は、ハウスメーカーがストック住宅についてどのような取り組みをしているのか、確認してみたいと思います。

大手メーカー10社による優良ストック住宅「スムストック」

ストック住宅の購入の難しさは、その建物がどのような状態にあるのか、わかりづらいことだと、これまでに何度も指摘してきました。耐震性が確保されているのか、致命的な不具合がないのか、いったい後何年住み続けられるのか、購入後どれくらい(リフォームなどの)費用がかかるのか、などなど。

不動産会社の店先

不動産会社の店先に並ぶストック住宅の広告。価格や築年数、広さなどの情報提供が行われているが、どこの会社が建て、現在までどのような使われ方をし、どんな状態なのかにはあまり触れられていない(この写真はイメージです)

実際に購入して住んでみないとわからない、いわばギャンブルのような側面がストック住宅の購入にはあるというわけです。ストック住宅とはいえ、購入には多額の費用がかかるわけですから、これだとストック住宅の購入には慎重にならざるを得ません。

そこでこのような問題点の解消に、大手ハウスメーカーが取り組んでいるのが、「スムストック」という取り組みです。2008年に「優良ストック住宅推進協議会」(設立時9社、現在10社)がという組織ができました。

彼らがこれまでに供給したストック住宅について「スムストック」と呼称し、一般的なストック住宅と差別化をしているのです。「スムストック」の概要は大きく以下の通りです。

スムストック住宅の特徴とは?

加盟ハウスメーカー=旭化成ホームズエス・バイ・エル住友林業セキスイハイム積水ハウス大和ハウス工業トヨタホームパナホームミサワホーム三井ホーム
〈主な特徴〉
  • 住宅履歴の関するデータベースを保有していること
  • 50年以上のメンテナンスプログラムの保有と実施をしていること
  • 新耐震基準(1981年施行)レベルの耐震性を有していること
スムストックundefinedロゴ

「スムストック」のロゴマーク。既存のストック住宅とその市場のあり方を変えるべく、大手ハウスメーカー10社が先導的に取り組んでいるのがスムストック住宅だ

細かく言うと、加盟するハウスメーカーごとに、例えば保証の内容などは異なり、それぞれに独自性があるのですが、少なくともこの3点については共通化できるというわけです。たった3点ですが、この共通項を徹底するだけでも、ストック住宅の世界では大変なことなのです。

最近は、長期優良住宅制度のおかげでメンテナンスに関する意識に進展がみられるようになっていますが、特に住宅履歴システムのあり方などは、業界においてまだ手探りというのが一般的な姿なのです。

このような特徴があることで、ストック住宅の買い手はもちろんのこと、売り手にもメリットがあるというわけです。具体的なところを次のページでご紹介しましょう。