安心R住宅とは?

マーク

この制度が定めた要件を満たした中古住宅(既存住宅)には上記のマーク(標章)の利用が許可されます

「安心R住宅」とは、中古住宅(既存住宅)の流通促進を目的として、国土交通省が新たに設けた制度のこと。正式には「特定既存住宅情報提供事業者団体登録制度」といいます。「安心R住宅」のRは、Reuse、Reform、Renovationを意味しています。

これまで「不安」「汚い」「わからない」といった中古住宅のマイナスイメージを払拭し、住宅購入を検討している人が安心して中古住宅(既存住宅:以下中古住宅と表記)を購入できるようにと、この制度が設けられました。

「安心R住宅」制度のポイントは?

この制度のポイントは、制度が定めた要件に合致した中古住宅には「安心R住宅」のマーク(標章:以下マークと表記)がつけられること。国が一定の品質をもった中古住宅にお墨付きを与えるわけです。

個々の不動産会社ではなく、不動産業者を束ねる事業者団体(一般社団法人など)が国土交通省に登録し、認定を受けます。事業者団体は、ルールの設定や不動産会社の審査・指導・監督を行い、不動産会社にマーク使用の許可を出します。また、事業者団体はトラブルがあった場合に購入者が相談できる窓口を設置することになっています。

「安心R住宅」に認定されるのはどんな住宅?

国土交通省は「安心R住宅」に認定する基準として、「不安」「汚い」「わからない」といったキーワードについて、以下のような具体的な基準を設けています。

●「不安」について
  • 「新耐震」基準に合致する耐震性を備えていること(昭和56年6月1日以降に着工したもの、またはそれ以前に着工したもので耐震診断や耐震改修によって、耐震性が確認されたもの)
  • 建物状況調査(インスペクション)が行われていて、構造上の不具合や雨漏りがないこと
  • 購入予定者が望めば、既存住宅売買瑕疵保険に入れること

●「汚い」について
  • それぞれの事業者団体がリフォーム工事の実施基準を決めて、基準に沿ったリフォームをしていること
  • リフォームをしていない場合は、参考価格を含めたリフォームプランの情報提供をすること
  • 外装や主な内装、キッチン・浴室・洗面所・トイレなどの水まわりの写真を情報提供すること

●「わからない」については、次の○印の項目について、その情報が「有」「無」「不明」のどれであるのかを公表しなければならないことになっています。
○新築時の情報
適法性、長期優良住宅などの認定、住宅性能評価、設計図書に関する情報

○過去の維持管理の履歴に関する情報
維持管理計画、点検・診断(給排水管・設備の検査や点検)の履歴、防蟻(戸建てのみ)、修繕、リフォーム・改修に関する情報

○保険・保証に関する情報
構造上の不具合及び雨漏りに関する保険・保証、その他の保険・保証(給排水管・設備・リフォーム工事)、シロアリ(戸建てのみ)に関する情報

○省エネに関する情報
断熱性能、開口部(窓)の断熱、その他省エネ設備関する情報

○共同住宅の共用部分の管理に関する情報
管理規約、修繕積立金の積立状況、大規模修繕計画、修繕履歴に関する情報

制度実施までの流れはどうなっている?

これまでの流れは、2016年12月19日に第1回の「流通促進に寄与する既存住宅の情報提供制度検討会」が国土交通省で開催。その後、第2回(2017年1月23日)、第3回(2017年2月28日)と検討会が開かれました。2017年3月29日~4月28日まで「安心R住宅」に対する意見(パブリックコメント)が集められ、国土交通省内で制度詳細が固められました。
パブリックコメントをまとめたものはこちら

制度の告示の公布は2017年11月6日。事業者団体の登録は、12月1日から国土交通省にて申請受付が始まりました。登録した事業者団体は、国土交通省のホームページに掲載されます。
登録規定や申請方法等はこちら

制度運用は2018年4月からの予定です。

制度のメリットは?

この制度のメリットを立場ごとに簡単に紹介しましょう。

【中古住宅購入検討者】
  • わかりにくかった中古住宅の性能・仕様が開示されるため、安心感が高まる
  • リフォーム提案書により、購入後に必要なリフォームの価格も含めた目安がわかる

【不動産会社】
  • 「優良な中古住宅」を扱っているといういいイメージが得られる
  • 売主と買主の両方から手数料をとれる(「安心R住宅」のマークを使用するには「専任媒介契約」を結ぶことが条件の一つだから
工事中の住宅

開示された情報や建物状況調査の結果を十分吟味して、満足のいく中古住宅を見つけてほしいと思います


制度の課題や注意点はどんなところ?

メリットのある「安心R住宅」ですが、これからの課題や注意点がいくつかあります。

●耐震基準は「新耐震基準」
→現行の耐震基準(2000年(平成12)年6月以降)を満たしているとは限らない。情報を精査することが大切

●住宅の情報は「有」「無」「不明」のいずれかで記載
→すべての情報が「無」や「不明」でも情報開示したことになり、「安心R住宅」の基準を満たす

●情報開示のためにかかる費用
→情報収集や調査のためにかかった費用が物件価格に上乗せされる可能性がある

●住宅ローンやローン減税に対する不安
→「安心R住宅」のマークがついていても金融機関の住宅ローン審査が通らない場合や、築年数や耐震性能によってはローン減税の対象にならない可能性もある

●専任媒介契約を結ばなければならない
→売主からすると、販売の機会が少なくなる可能性もある

これらの課題について、国土交通省では消費者の反応を見ながら制度を見直していきたいとしています。まずは運用してみて、問題点を改善しつつ、中古住宅の流通を活発にしたいというのが制度の目指すところでしょう。

一部のハウスメーカーや不動産事業者団体では、優良中古住宅を供給する仕組みをすでに構築しているところもあります。中古住宅の購入を検討している人は、「安心R住宅」に限らず、物件情報の中身をよく確認して、できれば複数の住宅を比較しながら検討するのが望ましいと思います。

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