ストック住宅(中古住宅)が、以前に比べ随分と注目されるようになってきました。リーマンショック以降の不景気もあって、検討されている方はもちろん、購入される方も増えているようです。そこで、ストック住宅に関するシリーズを立ち上げ、掘り下げてみたいと思います。ストック住宅について知ることは、新築や分譲住宅の購入、リフォームを考えていらっしゃる方にも参考になることが多いと思います。

メリットはイニシャルコストが抑えられること

今回はまず、ストック住宅についてメリットや問題点、現状などを整理したいと思います。ストック住宅を購入するメリットとは一体何でしょうか。それは新築に比べて、明らかに住宅取得のイニシャルコストが抑えられることだと思います。

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ストック住宅の最大の特徴は、新築に比べ取得のためのイニシャルコストが圧倒的に安いことにある。それは建物を新たに建てないですむためだ

というのは、ストック住宅の場合、コストの内訳をみると、築年数にもよりますが、多くが土地代だけですむから。それはイコール、建物についてのコストを考えなくてもすむということです。では、私たちにとって住宅取得が難しいのは、なぜでしょう。

多くの場合、土地と建物をセットで購入しなければいけないから。良くあるパターンが、土地購入にお金がかかりすぎ、本当に満足できる住宅を建てられないケース。また、土地代を気にしすぎて(もちろん立地などほかにも色々な要因はあるでしょうが…)、狭小敷地を購入してしまい、これもまた建物で苦労してしまうケースもあるようですね。

一番いいのは、私たちの両親の住宅を受け継いで、住み継いでいくことだと思います。こうすれば土地代もかかりませんから、住宅取得のイニシャルコストを最大限抑えられ、子育てや老後資金のための貯蓄も可能になるはずです。

20年で建物の資産価値はゼロになる?

不動産会社の店頭

不動産会社の店頭には数多くの物件情報が並んでいる。しかし、こうした物件の取引には建物の現状に対する詳しい説明がないことが多い

ところで、ストック住宅はなぜイニシャルコストが安くなるのでしょうか。現在一般的な不動産の価格査定では、新築時点から10年も経つと、建物価値は半減。20年以上になるとゼロになるのです。要するに、20年以上経過した住宅の場合、価格は土地代だけということになるのです。

これがずっとわが国のスタンダードでした。しかし、新築で住宅を建てて20年後に建物の価値がゼロになるなんて、少しおかしな話でもあります。せっかく多額のお金を払った(ローンを組んだ)のに…ということです。だから、今後、住宅取得を考えるにあたって、資産価値の目減りをいかに抑えられるのか、についてよく考える必要があると思います。

ここまで、イニシャルコストに絞って、ストック住宅のメリットとその現状について話をしてきました。しかし、イニシャルコストだけで判断すると失敗が多いのが住宅の世界。ストック住宅はその例に漏れませんし、むしろ最も失敗が多い分野だと思われます。

次のページでは、ストック住宅の問題点について考えてみましょう。