マンション物件選びのポイント/マンションの構造・耐震性

住宅の耐震性を決める3大要素は「建物・地盤・施工」(3ページ目)

東日本大震災後、住宅の耐震性への関心が高まっています。建物の耐震性を決めるのは「建物」「地盤」「施工」この3つの要素です。どれ一つ欠けても安心で安全なマイホームになりません。今回はなぜこの3つの要素が大切なのか見てまいります。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

キーワード3:施工状況

耐震性の決め手は「建物」「地盤」「施工」の3つです。

耐震性の決め手は「建物」「地盤」「施工」の3つです。

建物は、いくら耐震性の高い設計をしてあっても、実際に建てる時に手抜きや欠陥、ミスがあったら、期待した通りの耐震性能を期待することができなくなります。

また新築に限らずこれからは既存住宅の耐震診断や耐震補強が増えると思いますが、やはり適切な施工ができるかどうかが大切なポイントになってきます。

良い施工会社の見分け方は、マンションなら施工実績を見てみましょう。施工実績が多ければそれだけノウハウの蓄積があり、自社独自の施工マニュアルを持っている施工会社もあります。

戸建てや耐震補強なら地元の施工会社もお勧めです。地元の施工会社は悪い評判が立ったら営業していけなくなりますから、良心的な仕事をしてくれるところが多いと思います。以前その施工会社がつくった家を見せてもらったり、建て主さんにお話を聞いたりして信頼できる施工会社か見極めましょう。

建物は竣工後に劣化が始まります。1.耐震性の高い建物を 2.強い地盤の上に 3.しっかりとした施工で建てた後に、次にすべきことは、建物の維持管理をきちんとしていくことです。これは耐震性をキープする上でとても大切なことです。

マンションであればどのような管理会社が見てくれるのか、戸建てであれば竣工後も定期的に建物のチェックをしてくれたり、不具合が出たら相談にのってもらえる施工会社だと心強いと思います。竣工後もそのような関係を保てるかどうかも確認するとよいでしょう。

住宅性能表示制度を利用する

耐震性を始め消費者にとってチェックが難しい住宅の大切な品質に関わる部分を、第三者の専門機関が厳しくチェックしてくれる「住宅性能表示制度」を利用したマンションや戸建て住宅なら、手抜き・欠陥の恐れが少なく安心して購入できるひとつの目安になります。

以上のように、住まいの耐震性は「建物」「地盤」「施工」が揃って初めて強いと判断できます。「安心・安全に暮らせる家」を探す時は、ぜひこの3つのキーワードを思い出してください。

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