ロジカルシンキング/ロジカルシンキングの活用事例

ロジカルシンキングを活用した2つのプレゼン方法

ロジカルシンキングの考え方を活用した、プレゼンの構成の代表として、SDS法、PERP法について解説します。セミナーや後援会、または結果報告、といった、場面、目的によって、2つのプレゼン手法を使い分けられるようになれば、プレゼンのプロになれるでしょう。

執筆者:大石 哲之

ロジカルシンキングを活用したプレゼン

SDS法と、PREP法の2つのスタイルの違いについて理解は必須

今回は、ロジカルシンキングの考え方を活用した、プレゼンの構成について解説します。

代表的なプレゼンの構成には、SDS法とPREP法の2つがあります。伝える内容、伝える相手によって、最適な方法を選びましょう。

<目次>    

要点から話すSDS法

SDS法は、要点、詳細、要点という順番に話します。ニュースの話し方に近いといえます。
 
  • S(Summry)= 概要
  • D(Detail)= 詳細
  • S(Summry)= 再度まとめ

この頭文字をとってSDS法と呼んでいます。

最初に、これから伝えたいことの概要や目次について説明します。次に各部分の詳細を順番に離していきます。そして最後にもう一度、まとめを行います。例を挙げると、

■概要
本講演では、サラリーマンの皆様にもできる節税についてお話しします。サラリーマンの皆様は税金が返ってこないと思っている方もいますが、そうではないことを理解していただきます。実際に確定申告のやり方に触れ、税金の還付を受け取るようになれる。それがこのセミナーのゴールです。

■詳細
では、順番に、まず、確定申告とはなにか? についてからお話します。

■まとめ
ということで、医療費などの控除、住宅ローン、寄付控除など活用して、税金の還付を受ける方法について学びました。
 

結論から話すPREP法

PREP法とは、結論、理由、事例で話すもので、ロジカルシンキングの手法でいう「ピラミッドストラクチャー」に沿ったトップダウンの話法です。
 
  • P(Point)= 結論
  • R(Reason)= 理由
  • E(Example)= 具体例、データ
  • P(Point)= 再度結論
という頭文字を使ってPERP法と呼びます。この方法の特徴は、最初に結論を話すことです。例えば、

「単刀直入に結論からお話しますと」

というのが、最初に結論ありきの伝え方です。結論だけでは納得いかないので、その結論にいたった理由を補足していき、続いて結論をサポートする事例や根拠、データなどについて補足していきます。結論→理由→データという順番で、トップダウンで構成されます。

これは、ロジカルシンキングの手法でいう、ロジックツリーのツリー構造と同じ構造で話すということにほかなりません。
ロジックツリーの構成をもとにしているPREPプレゼン方法

ロジックツリーの構成をもとにしているPREPプレゼン方法


例えば、このロジックツリーをもとに、PERP法で話すとどうなるでしょうか。

■結論
端的に結論から申しますと、検討の結果、今回はD社を中心としたサーバーの導入を行うこととしました。

■理由
これにいたった理由を3つをあげます。1にコスト面、2にサポート面、3に拡張性とインテグレーションが理由です。これらの3つの面で競合と比較検討を行った結果、D社がもっとも有利と結論しました。

■データ
では、その結論をご納得いただくために、まずは1のコスト面での分析結果をお見せしましょう。このスライドは、5年間にわたるコストシミュレーションです。これを見ていただくとD社の提案が5年間で1億2,000万円のコスト効果があると結論できます。次に……。

■再度結論
以上の議論から、我々はD社の提案による製品の導入を行うこととしました。
 

SDS法とPREP法の適した課題

SDS法とPREP法には、それぞれ適した場面があります。どのように使い分ければいいのでしょうか?

■SDS法が適している場合
講演やセミナーなど、話の内容自体に意味がある場合に適しています。単なる結論よりもストーリーや話自体を重視し、話全体に重きを置く場合に使われます。

聴衆が話の内容に関して事前知識をあまり有していない場合や、漠然とした興味のみ持っているという場合にはSDS法が適しています。つまり、講演会やセミナー、製品の発表会など、テーマには興味があるが詳しい内容については初めて聞くというような場合です。

最初のS、つまり概要のところでぐっと聴衆の心をつかみこれから話す内容のメリットを伝え、聴衆がその先を聞いてみようと思うように頭を整理させてあげます。そして、詳細の話をじっくり聞いてもらいたい話に注目してもらいます。
同様に、研究成果の発表、または決算発表、会社説明会、採用セミナーなどでもSDS法適しているといえるでしょう。

■PREP法が適している場合
PREP法は報告向きです。端的に結論を先に伝える話法なので、新製品発表会のようなワクワク感はありません。冷静に結論と議論の過程を聞いて、報告を受けるといった用途のプレゼンに適しています。

そのため、聴衆があらかじめ報告内容についての十分な事前知識や関心がありことが大事です。例えば、社内で何かについて検討してきた結果についての検討結果報告や調査報告といったものがPREP法に適しています。

PREP法では、「結論→理由→データ」といった流れで話します。忙しい役員への報告で20分しか時間がないといった場合でも、最初に結論がくるので短時間で要点を伝えることが可能です。

「当社における中国への進出可否について、外部コンサルタントを利用して3ヶ月にわたり検討をして参りました。この結果と今後のアクションについての報告いたします」といったものに適しています。至ってビジネス向けと言えましょう。

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