災害復興時には、労働時間や勤務場所など様々な制約条件のもと、短期間で多くの業務を処理する必要に迫られます。優先順位を付けて効率的に業務を遂行するだけでなく、勤務体制の面でも様々な工夫が求められます。

優先順位を明確にする

災害復興時の勤務体制

災害復興時は業務の絞り込みと勤務体制の整備が不可欠

復興のための業務とルーティン業務に分けて、自社の人的資源を割り振ります。ルーティン業務については、自社(または職場)の中核事業(コア業務)を優先させます。緊急性が低い業務は、先送りします。チェクポイントは下記のとおりです。
  • 業務をリストアップする
  • 業務別の工数を見積もる
  • 業務別の必要人員と人員スペックを算定する
  • 現状のマンパワーで対応可能か判断する
  • 協力企業からの応援要員 派遣社員活用を検討する

在宅勤務の実施について

通勤手段が制限されたり、従業員の家族に負傷者が出た場合は、在宅勤務を行うことになります。その場合の留意点は下記のとおりです。

■事前に準備しておくこと
災害時等の在宅勤務で業務が円滑に行える企業は、普段から在宅勤務を制度として取り入れている企業か、災害時の在宅勤務を想定して準備している企業だけです。下記事項を参考に在宅勤務体制を整備し、半年に1度くらいは在宅勤務日を設け、不都合がないかどうか確認しておくことも大切です。
  • 緊急時の従業員連絡網の整備
  • 緊急時連絡用のweb掲示板の設置
  • 貸与するノートパソコンの準備
  • 在宅勤務マニュアルの整備
  • 事業場外労働の裁量労働制導入の検討
  • 個人パソコンを使用する場合の事前チェック(ネット接続の有無、ウイルスソフトの有無、ファイル交換ソフトの有無、ビジネスソフトの有無)
  • 個人パソコン業務使用規定の整備
■在宅勤務実施時のポイント
実際に在宅勤務に入った場合は、労働時間の管理が必要になってきます。仕事をスタートさせた時刻、中断した時間、休憩時間、終了時刻を従業員から申告させます。また可能であれば、週に1回くらいは出勤させて状況を報告させると良いでしょう。
  • 定期的な業務連絡と業務進捗状況の確認
  • 労働時間管理(勤務の開始・終了時刻、休憩時間、残業時間などの把握)

計画停電時の勤務計画について

計画停電時の勤務体制は短期と長期で見直す必要があります。短期とは毎日の業務を滞りなく遂行するための勤務体制です。長期は年間の需給サイクル(仕事量の繁閑)を念頭に置いたものです。

■短期勤務体制の見直し
計画停電に合わせて1日の業務内容を組み替えます。計画停電時の人件費コストを無駄にせず、いかに無理なく業務を進められるかがポイントです。以下の点を参考に、勤務体制を見直しましょう。
  • 計画停電時間帯を休憩時間とする就業規則の変更を行う
  • 交替勤務の工場などでは、生産シフトを組み直す
  • パートタイマーの出勤・退勤時刻を見直す
  • 計画停電時間にミーティング、勉強会など電力を使わない業務イベントを設定する
  • 計画停電時間は社内ではなく、客先訪問時間とするよう営業に指示する
  • 計画停電時でも事務作業が可能なように、ノートパソコンをフル充電しておく
  • ノートパソコン用の予備バッテリーを増やす
  • 小規模事業所では、発電機の活用も検討する
■長期勤務体制の見直し
夏場の電力不足に対応するため、年単位で勤務体制を見直すことも場合によっては有効です。製造業は在庫を削減するために、ジャストインタイムの同期生産を行っている企業が多いですが、夏場の操業短縮に備えて在庫の積み増しも検討しましょう。

7~8月の月間労働時間を減らして、他の月の労働時間を増やすなどの柔軟な労働時間制度を導入することで、人件費の上昇を抑えることができます。夏場に年休をまとめて与えることも、効率的な働き方につながります。

  • 需要予測を行い、前倒し生産を実施する(ただし協力企業、サプライヤーとの協業調整が必要)
  • 1年単位の変形労働時間性を導入し、割増賃金を発生させないようにする
  • 電力ピーク期間に、年次有給休暇の計画的付与を行う


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