銀座「空也」による新店「空いろ」
銀座の和菓子店「空也」による期待の新店「空いろ」。6月8日にエキュート東京店が、20日にエキュート品川店がオープン(※現在の店舗については記事の最後に記載)。要となるのはエコな餡「○(まる)あん」です。
「空いろ」とは?
予約必須の「空也もなか」で知られる「空也」。新店「空いろ」は、5代目、山口彦之さんの「あんこを世界へ。」という思いから誕生しました。
まずは多くの人が行き交う駅ナカに出店し、日本の若い人たちに餡の良さを見直してもらうことからスタート。いずれ海外へ出店し、寿司やてんぷらのように和菓子を日本の食文化として世界へ浸透させたいと願っているそうです。
「空いろ」のお菓子は、海外でも人気の『ドラえもん』の好物「どらやき」をはじめ、ほとんどが海外出店を想定したもの。夢で終わらせるつもりはありません。
漉し餡でもなく粒餡でもない「○(まる)あん」
「空いろ」の餡は全て北海道産の豆を使った自社製で、「つぶあん」のほか、小豆、大豆、白いんげんの3種類の「○(まる)あん」があります。
「○(まる)あん」とは、同店オリジナルの呼び方で、特殊な機械を使って豆の皮まで微細に砕き、ペースト状に煉り上げた新しい餡のこと。漉して豆の皮を捨てる漉し餡とは異なり、捨てるところがなく皮の栄養素も残ります。
無駄が出ないうえ、水にさらす工程がないため排水量が大幅に削減されるエコな餡。漉し餡に近い滑らかさと、粒餡に近い風味を併せ持っています。
「ほし」餡の瓶詰めとクッキースプーン
「空いろ」のお菓子は空を彩る「たいよう」「つき」「くも」「ほし」の4種類。
中でも私のおすすめは、瓶入りの餡とスプーン形のスパイスクッキー、スペキュロスをセットにした「ほし」。餡は瑞々しくとろりとし、古来和菓子にも使われてきた生姜やニッキが香るクッキーを、まろやかな甘さで引き立てます。
いつか海外で現地の豆を使った○(まる)あんを作りたいという山口さん。「餡は豆のジャム」と話すとおり、瓶入りの餡は、トーストやパンケーキとも好相性です。
4種類の餡のうち、特にお薦めしたいのは、珍しい大豆の「○(まる)あん」。滑らかな口当たりときな粉のような芳ばしさが楽しめます。