雇用調整で一番多いトラブルは「解雇」

従業員を解雇する場合は、プロセスを踏むことが大切です

従業員を解雇する場合は、プロセスを踏むことが大切です

「企業は人なり」です。企業活動をしていく上で、人の活力を最大限に活かしていくことが企業繁栄の根幹といっても過言ではありません。採用後適材適所の配置をし、キャリア開発を支援していく仕組みを作ることが、従業員のモチベーション向上につながります。そうしたキャリアを積みかさねて定年退職を迎える姿が、典型的な日本型の就業形態です。

ところが、現在の厳しい社会経済情勢の下では定年を迎えるまでもなく、雇用調整(やむなく労働条件の引下げや希望退職者の募集、解雇など)を行わざるを得ない企業が多くなっています。企業は営利団体ですから、こうした経営判断をせざるを得ない場合も当然あることでしょう。

一方でこのような雇用調整を行う場合には、やむを得ない場合であっても実施に当たっては慎重に進めなければなりません。まずは法令順守です。法令を守ることがトラブル回避の第一歩となります。

解雇される従業員は解雇される場合にはどういうルールになるのか法令を確認しているものです。企業側が無知ではいられませんね。企業と従業員間での十分な話合いや説明を行うことが求められます。解雇する場合には、理由を従業員に納得させる必要があるのです。

こうした段取りを踏まないで雇用調整を行ってしまうのは、自らトラブルの種を蒔いているようなものです。トラブルを起こさない労務管理の勘所を確認していきましょう。今回は、その中でも一番トラブルが多い「解雇」について解説します。

解雇には「普通解雇」と「懲戒解雇」がある

解雇は、企業側から従業員に対して一方的に労働契約を解約するものです。企業が取るべき雇用調整の最終方法と言えるでしょう。従業員にとってはかなりの不利益になるため、労働基準法などで様々な規制が設けられているのです。

解雇には次の2形態があります。
  • 普通解雇(従業員の能力不足・適性不足などによる解雇、リストラなどによる企業の人員整理などによる解雇)
  • 懲戒解雇(就業規則等における懲戒事由による解雇)
懲戒解雇は、文字どおり従業員に懲戒事由がある場合です。就業規則等で記載されている懲戒事由が起こった場合に解雇することができます。どのような場合に懲戒解雇になるのか、就業規則等でしっかりと従業員に周知しておく必要があります。今回は、それ以外の普通解雇を行う場合の労務管理の留意点を中心に要点をお伝えします。