☆ミロワール・ショコラ (462円)
写真手前が「ミロワール・ショコラ」
一般的に、この系統のムース・ショコラは、酸味と香りのアタックを強調したフランボワーズのジャム(コンフィチュール)が使われていることが多いですが、ボレロ風はこのジャムの酸味が控えめなんですよね。これによってムースとジャムに自然な一体感が顕れ、ビターチョコのクリームとミルクチョコのクリームのWチョコレートクリームの風味がより一層ストレートに感じられるんです。しかも、ナイフを入れた時に、とろ~りと蕩け出す温度調整の徹底ぶりも見事ですし、そのこだわりが、この素晴らしいチョコレートとジャムによる寄り添うようなマリアージュを生み出しているのでしょうね。さすがはスペシャリテたる一品!
☆サント・ヴィクトワール (441円)
生クリームの上からチョコパウダーで夕暮れの山を演出
一見しただけでは、これが「モンブラン」とは分からない独創的な一品。タルトレットには、「きんとん」のような濃厚なマロン・ペーストが。それを生クリームで覆っているので、外からはマロン・ペーストが見えない仕組みになっているんです。
でも、なぜマロン・ペーストが生クリームで覆われているのか不思議ですよね。その理由をシェフにお伺いしたのですが、この理由がとってもユニーク! 私はてっきり商品名の「サント・ヴィクトワール(セザンヌが描いたプロヴァンスの山名)」をイメージしてのことだと思ったのですが、実はそれは後付けで考案されたことで、本当の理由は別にありました。果たしてその理由とは!? 答えは是非ともお店に訪問してシェフに直接お聞きくださいませ。
☆クレーム・ド・モロ (399円)
伝統菓子「ババ」のようなケーキ
白ワインシロップを滴る程にしっかりと染み込ませた生地に、チーズカスタードクリームをサンドした「W.ボレロ」のスペシャリテの一つ。
有名な伝統菓子「ババ」のような感じですが、舌の上を撫でるような優しい甘みと複雑さを兼ね備えており、それぞれが主張しているにも関わらず、不思議なまでの渾然一体感を演出しているんですよね。口の中で繊細さと大胆さが弾むようにエレガントなダンスをする、そんな口福たる逸品。
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