守山にあるフランス菓子店「ドゥブルベ ボレロ」

ドゥブルベボレロ

ドゥブルベボレロの外観

滋賀県の湖東といえば、「かくれ里」として白洲正子も秘められたる古仏を求めて巡礼したエリア。その湖東でも南方に位置する「守山」は京阪神からのアクセスもJRで良好ですが、駅から少し離れると、まだまだ自然や田畑が残るのどかな風景がそこここに拡がります。

そんな守山に、ここ数年で全国からのスイーツ巡礼者の聖地となりつつある、「熱い」洋菓子店があるのです。2004年秋に開店した、その店の名は「ドゥブルベ・ボレロ」。「ドゥブルベ」はシェフの渡邊 雄二さんの頭文字「W」のフランス語読みで、「ボレロ」はシェフとその奥様が大好きなベジャールのバレエ「ボレロ」から名付けられました。

ドゥブルベ ボレロのプレート

2004年にオープン。今や西日本最高峰の一軒です

渡邊さんの実家は三重県伊勢市の老舗洋菓子店。小さいころからお菓子にまみれ、お菓子の中で育ってこられただけに、自然とパティシエへの道を進まれてこられたのでしょうね。鎌倉での修行のあと、伊勢の実家に戻られて家業を取り仕切っておられましたが、敢えて「守山」で独立されたのは、奥様の実家の土地がちょうど空いていたからとのこと。都内や関西の中心部ではなく、奥様の実家を選ばれたというエピソードにシェフの愛妻家の一面が感じられますね。
ショーケース

手の込んだ生ケーキがズラリと並ぶショーケース

シェフと実際にお会いして感じたのは、とにかく「人間味」のある熱い人、ということ。若き日から一貫してフランス文化と「フランス菓子」への愛とこだわりがある渡邊シェフの夢は、この守山という地方から発信して本物のフランス菓子の魅力を広めたい、ということ。

そのために、夕方になっても常にショーケースは一定の種類のケーキを揃えておくことを心掛けられていたり、年に一度はスタッフの皆さんを連れて、欧州視察と研修のために海外に旅立たれ、在仏、在伊のシェフたちと交流を続けておられたり、と一般的な洋菓子屋さんでは考えられないような営業体制をとられているのです。その計り知れない情熱とエナジーは、まさにシェフの「フランス愛」が成せる業と言ったところでしょう。

また、シェフ曰く「ケーキ職人としてではなく、一人の人間としてきちんと責任を持って育てたい」という信条の元、スタッフの育成にも工夫を重ねながら心血を注がれるなど、パティシエとしてだけではなく、スタッフを抱えるオーナーとしての役目も果敢に果たされているという、アグレッシヴな毎日を送られています。まさに鉄人ならぬ超人シェフですね。

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