ストレス/その他のストレス

買い占め、中傷も自分を守る行動?震災後の心理的反応

東日本大震災は、被災地以外の人々の心にも大きな影響を与えました。買い占め、誹謗中傷、長電話などの問題視された行動のほか、ボランティアなどの模範的行動も、ショックによる心理的反応によるものかもしれません。詳しく解説します。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

被災地以外でもストレス障害? 震災の心への影響

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震災のショックを一身に受け止めてしまった草野さんの苦しみ

今回の震災は被災地だけでなく、日本全体に大きなショックと動揺をもたらしました。その結果、日常では考えられないようなストレスに苦しみ、連日の不眠症状や健康被害に苦しまれる方の報告がたくさん出ています。

たとえば人気ロックバンド「スピッツ」のボーカルである草野マサムネさんは、連日報道される震災の想像を絶する被害に心を痛め、「急性ストレス障害」という心のトラブルで倒れ、予定されていた公演を中止せざるを得ない状態になりました。

急性ストレス障害(ASD)とは、非常に強いショックを伴う出来事を経験したことにより、フラッシュバックや悪夢が襲ったり、そのことを思い出すのを過剰に避けたり、不眠や苛立ちなどの過敏な症状が強く現れたりするストレス反応です。

ASDは1ヶ月以内で治癒する一過性のものですが、同じ症状が1ヶ月以上続くようになると、外傷後ストレス障害(PTSD)につながってしまいます。したがって、こうした症状に見舞われた場合には、精神科医に相談して早期に治療を開始し、しっかりと休養をとって心身を落ち着かせる必要があります。


震災後に見られた特徴的な行動の数々 

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買い占め行動がさらに人々の不安を煽る結果に

また今回の震災によるショックと不安は、人々の行動をも極端に変化させました。

火急の必要性はないのに食料品や日用品の買い占めに走る人々、芸能人のちょっとした言動にも誹謗中傷を繰り返す人々、不安定な通信環境と知りながらもメールや電話に時間を費やす人々の姿も見られました。その一方で情報発信に懸命になる方々、被災地の方々の役に立とうと募金やボランティアに立たれる方もたくさん見られるようになりました。

また被災地の方々に対して何もできない自分や、役に立てない自分を過度に責め、罪悪感にさいなまれている人もたくさんいます。

未曾有の地震によるストレス反応であることは明白ですが、強いストレスに直面すると、人はどうして日常では考えられないような極端な行動をとることがあるのでしょう? 次のページで考えてみたいと思います。
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