子どもはどこで被害に遭っているか?
就学別・場所別被害発生件数(警察庁平成22年上半期犯罪情勢)
犯罪被害といってもさまざまです。成人に比べると殺人や強盗などの凶悪犯罪は少ないものの、特に性犯罪や暴力行為などの危険は身体が小さいためにターゲットにされることが多いのです。警察が認知した件数とはあくまでも警察が把握した数字であり、届け出がされない場合もあることを考えれば、実際の被害件数はこれらの数字より多くなることは間違いないと思われます。
子どもが犯罪被害に遭わないためにどうしたらいいのか? 保護者であれば誰もが願うわが子の安全は、危険を知ることによって対策が可能になります。やみくもに恐れるだけでは子どもの緊張がとけず、かえって不審者の気を引きかねません。押さえるべきポイントを知って効率的に警戒するように伝えてあげましょう。
発生件数から知る危険な場所
小学校に上がると、幼稚園や保育園の時のような保護者や先生、保育士の人たちの目がなくなります。集団登下校などで上級生たちと一緒に行動するとしても、やはり一人で行動する時間が増えてくるでしょう。また、近くの公園で遊ぶ場合も保護者の同伴がなくなるでしょう。上記のグラフを見てもわかるように、小学生が被害に遭っている場所で、「都市公園」だけは中学生を上回っています。公園で遊ぶのは小さいうち、ということかもしれません。
その他は、発生件数としてはいずれも中学生が小学生を上回っています。特に、「駐車(輪)場」での発生件数を見ると、第2位の「共同住宅」の5倍くらいにもなっているのがわかります。いずれの被害においても、中学生の被害発生件数が多いのは、それだけ行動範囲や行動時間が広がるからと考えていいでしょう。
次ページでは、小学生、中学生の場所別被害発生件数ワースト5と、データから分析した注意点をあげます。