投資信託/ファンドの種類を紹介

コモディティファンドで将来のインフレに備える(2ページ目)

現物保有に向かないエネルギーや穀物などのコモディティへの投資は、少額から手軽に投資できる投資信託が便利。将来のインフレリスクに備える手段の一つとして、コモディティ投資の基本について押さえておきましょう。

執筆者:村岡 里香

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コモディティファンドは「商品総合指数」連動型がおすすめ

コモディティファンドの多くは、商品指数に連動するインデックスタイプです。国際商品全体の動きを表す指数に連動するタイプもあれば、「エネルギー」「金」「農産物」など特定のモノやセクターの指数に連動するタイプもあります。その中でも1本を選ぶなら、世界の商品全般に幅広く投資する「商品総合指数」に連動したタイプがおすすめです。

コモディティは、株式や債券と比べて市場規模がずっと小さく、値動きが大きい傾向があります。価格水準の割安、割高度を図れるような、たとえば株式におけるPERのような指標もありません。個別の品目やセクターへの投資に投資するなら、需給環境などの知識や自分なりの相場観がある程度必要になります。

国際商品の総合的な値動きに連動するファンドであれば、投資判断は商品市況全体のおおまかな見通しで行えます。そして組入品目、セクターごとで変動要因が異なるため、リスク分散の効果によって値動きのブレがおさえられる傾向があります。特定の品目やセクターに注目しているわけでなければ、このタイプが無難です。

主な商品指数とそれに連動する投資信託

選択

対象指数によって品目の構成比が異なる

ただし、商品総合指数にはたくさんの種類が存在し、指数ごとに中身と特徴が異なるので要注意です。

下の表は、主な商品指数の品目ごとの構成比と、過去1年の騰落率をまとめたものです。
2014年4月末時点。これらの指数は通常、年1回は構成品目や投資比率の見直しを行っています。最新の投資比率は月次レポートなどでご確認を。 ※クリックで拡大します

2014年4月末時点。これらの指数は通常、年1回は構成品目や投資比率の見直しを行っています。最新の投資比率は月次レポートなどでご確認を。 ※クリックで拡大します


では、それぞれ指数と連動する主な投資信託をあわせてご紹介しましょう。

■ロジャーズ国際商品指数(RICI)
著名投資家であるジム・ロジャーズが開発した指数で、構成比は貿易量や消費量に基づいて決定しています。37商品と組入品目数が最も多い指数です。

【連動する主な投資信託】
ダイワ/ロジャーズ国際コモディティ・ファンド/大和投資信託
・純資産総額 52億円
・販売手数料 上限3.24%(税込)
・信託報酬 実質年1.9049%程度(税込)
・信託期間 平成31年4月25日まで

■DJ-UBSコモディティ・インデックス
生産量と流動性を尺度に組入品目の構成比が決定されます。基本的には各セクターの比率は33%未満とされており、セクターごとのバランスがほどよく取れた配分となっています。

【連動する主な投資信託】
パインブリッジ・コモディティファンド/パインブリッジ・インベストメンツ
・純資産総額 15.72億円
・販売手数料 上限3.24%(税込)
・信託報酬 年率1.296%(税込)
・信託期間 無期限

■S&P GSCI商品指数
組入品目の構成比率は、過去5年間の平均生産量をもとに決定されます。他の指数に比べてエネルギー比率が高いのが特徴です。

【連動する主な投資信託】
グローバル・コモディティ・オープン(毎月分配型)/野村アセットマネジメント
・純資産総額 6億円
・販売手数料 上限3.24%(税込)
・信託報酬 年率1.35%(税込)
・信託期間 平成28年10月20日まで

■S&P GSCIライト商品指数
S&P GSCI商品指数と品目数は同じですが、他の品目、とくに農産物の比率が高くなっており、よりバランスがとれているのが特徴です。

【連動する主な投資信託】
ニッセイコモディティファンド/ニッセイアセットマネジメント
・純資産総額 11億円
・販売手数料 上限3.24%(税込)
・信託報酬 年率1.296%(税込)
・信託期間 平成28年5月25日まで

※純資産総額は2014年4月末時点

より低いコストを望むならETFを

上記のように、エネルギーに比重を置きたい、農産物に比重を置きたい、バランス重視、などのニーズによって選ぶべき商品は違ってきます。対象指数との成績比較、純資産総額、コスト、信託期限の有無などのチェックを含めて総合的に判断しましょう。

特にコストの比較は重要ですが、コモディティファンドは総じてコストが高めの傾向があります。ETFであれば信託報酬1%未満なのでより低いコストでの運用が可能です(こちらをご参照ください)。

コモディティはインフレヘッジや分散投資において効果があるものの、債券や株式といった伝統的資産のように金利収入や長期での市場の成長が見込まれるものではありません。あくまでポートフォリオの補完役という位置づけで活用し、組入比率は運用資産全体の1割未満に抑えておくことをおすすめします。


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