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中古マンションリフォームを阻む2つの壁

「中古マンションを買ってリフォーム」というマイホームスタイルが、注目されています。しかし、実際にやってみようとすると、2つの壁に阻まれうまくいかない……という実態もあるのです。その壁とは?

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

「中古マンションを買ってリフォームしよう」とするとき、阻まれる2つの壁があります。

壁 その1 
リォームプランを決めてから物件契約という手順が踏めない 

中古マンションを下見したとき、リフォーム次第で、この古くて汚い物件が見違えるように快適かつ素敵になることが想像できれば、買ってもいいと思うことができますが、肝心のリフォームプランをその場でイメージできる方はほとんどいません。そこでリフォーム工事会社を選び、希望条件を伝えて相談し、リフォームプランと見積もりをあげてもらうことになるのですが、最速でも2週間程度はかかってしまいます。

ところが、住宅市況が良い時ですと、そうしているうちに、人気物件であればあるほど、他の買い手にお目あての物件を持っていかれる、なんてことはままあるものです。良い物件は下見直後に購入の申し込みをするくらいのスピード感で押さえないと、買えないという実態があるのです。

とはいえ、リフォームでどこまで変えられるかの判断がつかない段階では、割安感があるからといっても、築20年超の古いマンションには手が出せない、というのが本当のところでしょう。

壁 その2
住宅とリフォームのWローン。時間差ありで資金計画が組みにくい 

住宅ローンの決済が終わり、中古マンションの引き渡しが終わった後に、リフォームプランと工事費を確定し工事請負契約後にリフォームローン契約。工事が終了して代金決済、という流れが中古を買ってリフォームの一般的な流れになります。

したがって、手続きは煩雑ですし、全体にかかる費用は一時に決まらないため、場合によっては予算オーバーで無理のない返済計画が組めなかった!という事態にもなりかねません。

また、住宅ローンは長期間の返済で低金利(ある銀行では35年固定で2.7パーセント、平成23年1月現在)、一方、リフォームローンは短期間の返済で高めの金利(ある銀行では固定15年4.6パーセント。平成23年1月現在)というのも気になります。もちろん、リフォームにも使える住宅ローンを用意している銀行・ノンバンクもありますが、住宅ローン契約時までにリフォーム工事費を確定しておかなければならない、という制約がついています。

ここまでご説明すると、中古はやっぱり買うのが難しい!という声が聞こえてきそうです。

壁を打ち破る仕組み「リニュアル仲介」が登場 

そこで、こんな中古マンションを買ってリフォームするのは難しいという壁を打ち破る仕組みが昨年登場したのです。「リニュアル仲介」といいます。この仕組みが画期的なところを、かいつまんでご説明しましょう。
  • 買いたい中古マンションがあれば、「リニュアル仲介」のネットワークに加盟している仲介会社に問い合わせをする。
  • 物件を下見したのちに、気に入ったら「リニュアル仲介」ネットワークに加盟しているリフォーム工事店がワンストップでリフォームプラン、見積もりを作成する。
  • 古い中古マンションが自分の希望どおりに変身するかどうかを買う前に見極められる。物件代金とリフォーム代金が時間差なく判明するので、返済能力に見合った資金計画が立てられる。
  • リニュアル仲介加盟の仲介会社が売り主に交渉し、希望のリフォーム工事を実施し完成後に物件引き渡しをする。
  • 購入代金=物件代金+リフォーム代金なので、リフォーム代金込で金利が低く、長期間の返済が可能な住宅ローンが借りられ、毎月の返済額を低く抑えることができる。特にフラット35、フラット35Sが使えるようなリフォーム仕様を積極的に提案するのが「リニュアル仲介」の強みとなっている。
この仕組みなら、古い中古マンションを買ってリフォームがスムーズに実践できるはずです。詳しくはマンション評価ナビ「中古マンションを買ってリフォームしよう」をご覧ください。

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