心が弱っているときこそ、カルト勧誘に注意!
心にぽっかり穴が空くときを、カルトは狙っている……
心が不安定になりやすいときは、いつも以上に気をつける必要があります。
■大学生・専門学校生の場合
- 受験、入学の慌しい時期が終わり、次の目標が見当たらなくなったとき
- 志望校に入学できず、現状に満足していないとき
- 志望校に入れたものの、周りの人と合わなかったり、ついていけないと感じたりして、疎外感を感じているとき
- 職業に違和感があり、「本当にやりたいことって何?」と迷うとき
- キャリアアップや結婚に進む友人と、自分を比較してしまうとき
- 頑張ってきたのに報われないと、むなしさを感じるとき
- 退職をして、生きる目標を見失ったとき
- 家事や育児に追われ、「自分らしく生きられない」と思うとき
- パートナーや家族との関係がうまくいっていないとき
- 子どもの巣立ちや配偶者の死を経験したとき
このように、さまざまなストレスで生きる目的を見失ったり、つらい局面で心にぽっかりと穴が空いた気分のときには、アイデンティティを見失いやすくなります。そのときには、強い扇動を受けると心がなびきやすくなるので、注意が必要です。
あなたは大丈夫? カルトにはまりやすい4タイプ
好奇心や考え方のくせによって、カルトに近づいてしまうことも
■ 「スピリチュアルなもの」への好奇心が強い人
スピリチュアルなものに魅かれ、日ごろから霊感や占い、超常現象、オカルトなどに関心が高い人は、カルトが展開する精神世界に反応しやすい可能性が高いので、自覚することが大切です。スピリチュアルな世界は目には見えず、真偽を確かめられない分、好奇心で近づく場合も、相当の慎重さが求められます。
物質的な価値観にまみれた世界に疲れると、スピリチュアルな事象が魅力的に見え、本当に価値のあるもののように見えるかもしれません。しかし、気軽な気持ちで試そうとすることで、知らぬ間にカルトのターゲットにされている可能性もあります。
■物事を「オール・オア・ナッシング」で考えがちな人
「神を信じない人は地獄に落ちる。天国に行ける人は信者のみ」というように、カルトは「オール・オア・ナッシング」の論調で扇動するのが常。したがって、自分自身がこの考え方で物事を捉えている人は、扇動に反応しやすい可能性があるので要注意です。
たとえば、「落第したら人生の落後者」「一流企業に入れない人は二流の人間」というように、物事を二元論的に考えていませんか? 注意しましょう。
■「答えや結果がすぐに得られる」と期待してしまう人
生きている意味や目的、頑張ったことの成果など、答えや結果はすぐに、確実に得たいと思うもの。しかし、それらは誰もが簡単に得られるものではなく、まして外から断言されるものではないはずです。
カルトは「生きる意味はここにある!」「入信すれば必ず天国に行ける」というように、答えや結果を断言します。そのため、道に迷っている人ほど扇動に乗りやすくなります。注意しましょう。
■強いインパクトのリーダーシップを期待してしまう人
第1次世界大戦後のドイツ国民がヒトラーを狂信したように、不安を抱えているときほど、極端なことを断言できるような強いインパクトのリーダーシップに憧れるものです。
しかし、その言葉は、本当に信じられるものなのでしょうか? 巧みな話術と強烈な個性に、心が揺さぶられているだけではないでしょうか? 自信をなくし、不安になっている時期だからこそ、強いリーダーシップに惹かれているのではないかと、冷静になって考えてみることも大切です。
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心に穴が空いている時期には、冷静な思考力や判断力が低下しているもの。だからこそ、そのときには特に、強い扇動には近づかないように自衛することが大切です。自分の人生は、かけがえのない自分自身のもの。人生を悪用されることがないよう、大切に守っていきましょう。