スピリチュアルブームの陰に潜む「カルト」の罠

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あなたも気づかないうちにカルトのターゲットにされている!?

先行き不透明で、不安が渦巻く時代になると、物質よりも精神的な充実に価値を見出す人が多くなるようです。

2000年代に入ってから活気づいてきた「スピリチュアルブーム」も、生活の安心が揺るがされる時代を反映した現象だといえます。

日本型の企業システムの崩壊、いわゆる「勝ち組・負け組」への二極化、年金システムや福祉資源の脆弱化などの問題が露呈し、将来が不安になる人が増えてきた時代。そんな時代だからこそ、そして、物ではない「スピリチュアルなもの」に、魅かれる人が増えているのでしょう。

スピリチュアリティを信じることが、悪いわけではありません。人の心を豊かにし、生きる意味や喜びを感じさせるものは、目には見えないものの中にこそある、と私も思います。

しかし、近年では人々のスピリチュアルなものへの関心の高まりを利用して、反社会的活動や違法活動を繰り返す団体もあるので要注意なのです。たとえば、「カルト」「破壊的カルト」などと呼ばれる一部の宗教団体です。

密室に連れ込んで強引な勧誘をしたり、ありえない話で不安や恐怖を煽るなど、弱った心を操作してその人の人生や財産を支配し、利用しようとする一部の悪質な団体が、カルトなのです。


不安な心に忍び込む……カルト勧誘の手口とは? 

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近年の就職難を利用し「就活セミナー」の名を借りて勧誘活動をするカルトも!

カルト問題の研究交流機関である「日本脱カルト協会」の勧誘予防パンフレットには、注意すべき勧誘の手口として、次のような例が紹介されています。 (日本脱カルト協会パンフレット『こんな勧誘にご用心!』より、一部引用・編集)

■ 終末を予言する
戦争や飢餓、環境汚染などによって、世界は滅亡へと向かっている。教えを信じる人は救われ、信じない人は地獄に落ちる、というように、世界の終末を予言して不安を煽る。

■ 祈祷や治療をしてくれる
不幸は悪因縁やたたりによるものであると指摘。霊能者である教祖が霊障を取り除くことで、幸せになれると誘う。

■ 使命感を与えてくれる
「君たちにこそ、この堕落した日本を救う使命がある!」というように、生きる意義を説くことでやる気にさせる。

■ 本当の自分がお手軽に得られる
「3日間のセミナーで自分がみるみる変わる」というように、簡単に自己変革ができると期待させる。

いかにもあやしい勧誘手口ですが、「自分だけは騙されるはずがない」「あやしい集団はすぐに見分けられるはず」と思う人こそ、要注意。近年、カルトの誘い方はとても巧妙になっています。急にあやしい言葉をかけてくるわけではないのです。

たとえば、大学新入時のサークル勧誘を始め、「就活セミナー」を装って勧誘するケースも増えています。気軽に受けた手相や占い、スピリチュアル・カウンセリング、気功などが、実はカルトの入り口だったということも。「自分探し」や「生き方」などを考える自己発見・啓発系のセミナー、友だち探しイベントやパーティーなどを装う団体も多いため、最初はカルトとは気がつくにくいことがあるのです。

次のページでは、カルトの手口にはまらないための心がけについてご紹介します。