企業のIT活用/販売管理/顧客/コスト管理

ITコスト削減 5つの視点(3ページ目)

不景気が続く中、多くの企業では、これまで以上のコスト削減が求められています。意外と手がつけられていないのがITに関するコスト。経営層がよく分からないこともあり、あまり検討されていません。どういう視点でコスト削減を考えればよいかみてみましょう。


4.システム間連携に要注意

会社全体でみると重複入力しているケースがある

会社全体でみると重複入力しているケースがある

注意しないといけないのがシステム間連携。部門ごとにシステム導入していると全体を考えていないので部門でシステムが切れています。連携が切れているためシステムから帳票を出力し、別部門に渡します。別部門では部門システムに手入力し、会社全体でみると重複入力しているケースがあります。

中小企業の多くでは会計システムとそれ以外のシステムが連携していないケースが多く、各部門でCSVファイルに落とし経理へ渡すことがよく行われています。このCSV連携が曲者で、ITを使っていそうですが結局は手作業でシステム連携しないといけないということになるので。コストをかけ連携プログラムを開発する方が、TCOでは安くならないかチームで検討しなければなりません。

システム見直しではクラウド化も検討しましょう。サーバーを自社で持つとメンテナンスや管理費用がかかります。季節変動があるような業務なら使った分だけ費用を払うクラウドの方が安くなります。ただし、クラウド化にむかないシステムもあるので切り分けが必要です。またシステム化にあたってはパッケージ導入を心がけ、パッケージのカスタマイズは極力避けます。

5.コスト削減と冗長性のトレードオフ

小惑星探査機「はやぶさ」の成功の一つは冗長性

小惑星探査機「はやぶさ」の成功には冗長性がある

ITのコスト削減で忘れてはならないのが冗長性の視点。小惑星探査機「はやぶさ」のミッションが成功しましたが、成功の原因の1つが冗長性。宇宙ではなにが起きるか分かりませんので、部品が壊れても全体が動作するように複数部品が組み込まれています。これが冗長性。

コスト削減の観点からサーバーを統合するとサーバーに不具合が発生したとたん全業務がストップしてしまいます。トラブル時に人間でカバーできるか、それともバックアップ機の用意が必要か検討が必要です。冗長性にはセキュリティの問題も出てきます。1つのサーバーと複数のサーバーのどちらが守りやすいかといえば、数が少ない方が手厚い対策を立てられます。

幅広い視点にたってコスト削減を考えてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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