和菓子/和菓子関連情報

スカイツリー周辺の向島和菓子、大特集!(2ページ目)

東京・向島は個性的な魅力ある和菓子店が多くある街です。今回は、京成曳舟駅から出発し、都営地下鉄浅草線・東京メトロ半蔵門線などが乗り入れる押上駅を目指す、向島和菓子散歩道をご紹介します。桜が咲く頃には大混雑するお店が多いので、のんびり楽しみたい方は、今の時期がおすすめです!

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

その3「言問団子」

「言問団子」1皿600円。器も味のうち。

「言問団子」1皿600円。器も味のうち

墨堤通りを桜橋の方面へと歩いていくと、江戸時代末期創業の「言問団子」に到着します。数多くの文人に愛されてきたお店です。「言問団子」は、米粉の団子を小豆と白のこし餡で包んだものと、みそ餡を白玉生地で包んだものの3色です。いずれも素材の良さが感じられる上質な味わい。

お持ち帰りもできますが、まずは一皿、店内で食べるのがおすすめです。お皿、お店の雰囲気、お茶、全てが団子の味わいを高めてくれます。店内で団子を楽しんだ後は、いつも、自宅用と誰かに差し上げるために「言問最中」(要予約)を包んでもらいます。

詳細記事「言問団子

<店データ>
■「言問団子」
所在地:東京都墨田区向島5-5-22
地図:Yahoo!地図情報
電話番号:03-3622-0081 
営業時間: 9:00~18:00
定休日:火曜日(月末火・水曜日連休あり)
アクセス:東武伊崎線・地下鉄 浅草駅 徒歩15分  東武伊勢崎線 業平橋駅 徒歩12分

その4「長命寺 桜もち 山本や」

「長命寺 桜もち 山本や」の「桜もち」店内1人前1個煎茶付(花見の時期は持ち帰りのみ)

「長命寺 桜もち 山本や」の「桜もち」店内1人前1個煎茶付(花見の時期は持ち帰りのみ)

「言問団子」の目の前にあるのは1717年創業の「長命寺 桜もち 山本や」。約300年もの間、桜もちだけを作り続ける老舗です。今でも桜の季節には長い行列ができますが、江戸時代にもかなりの人気があったようです。なんでも1824年の1年間で約38万5000個もの桜もちが作られたのだとか。

同店の桜もちは、小麦粉生地を薄く焼いた白い皮でこし餡を挟み、2~3枚の桜葉の塩漬けで包んだもの。桜もちの風味は繊細で、時間が経つと味わいが変わってしまうので、できればまずは1個、店内で楽しむのがおすすめです。ただし、大混雑する花見の時期は、お持ち帰りのみとなりますのでご注意を。

ところで、桜の葉は食べる、食べない?
詳細は「長命寺 桜もち 山本や

<店データ>
■ 「長命寺 桜もち 山本や」
所在地:東京都墨田区向島5-1-14
地図:Yahoo!地図情報
電話番号:03-3622-3266
(※花見の時期には大変つながりにくくなります。
花見の時期に入る前にご予約されることをおすすめします。)
営業時間:9:00~18:00
(※花見の時期には売れ切れ次第閉店)
定休日:月曜日
東京メトロ銀座線、都営地下鉄浅草線 浅草駅より徒歩約20分ほか
 

その5「青柳正家」

「青柳正家」の「栗蒸し羊羹」1本900円

「青柳正家」の「栗蒸し羊羹」1本900円

向島散歩の際、私が必ずランチを取る喫茶店「カド」を過ぎると、「青柳正家」があります。名物の「栗羊かん」と「菊最中」は、どなたにも胸を張って差し上げることができる逸品です。


でも実は、私のお目当ては「栗蒸し羊羹」。柔らかでもっちりとした蒸し羊羹にほっくりした栗がゴロリと入っています。煉り羊羹や最中よりも甘さが抑えられており、あっさりしています。価格も大きさも手ごろで、自宅でのおやつにもぴったりです。ちなみに同店はお持ち帰りのみ。店内に喫茶スペースはありませんのでご注意を。

詳細記事「青柳正家

<店データ>
■「青柳正家」
所在地:東京都墨田区向島2-15-9
地図:Yahoo!地図情報
電話番号:03-3622-0028
営業時間:9:00~19:00
定休日:日曜・祝日
アクセス:京成電鉄・都営地下鉄浅草線・東京メトロ半蔵門線・東武伊勢崎線押上駅 徒歩10分  東武伊勢崎線 業平橋駅 徒歩10分


さて、和菓子店ではありませんが、「青柳正家」のすぐ近くに、生麸・生湯葉のお店「麸澤」(墨田区向島2-12-4 ライオンズマンション101 地図:Yahoo!地図情報)があります。生麩のお店の甘いもの、と言えば生麸で餡を包んだ「麸まんじゅう」。淡白な生麩はもちもちとして瑞々しく、つるりと喉に滑り込み、コクのある餡の余韻が残ります。こちらも喫茶スペースはありませんのでご注意を。

さてさて、まだお腹に余裕のある方のために、あと3店ばかりご紹介して和菓子散歩を終えたいと思います。いずれも押上駅、または東武伊勢崎線業平橋駅の近くにあります。

1つ目は、相撲にちなんだ3つの形(力士の顔、軍配、手形)のお煎餅、「がちんこ焼」で知られる「みりん堂」(墨田区業平1-13-7 地図:Yahoo!地図情報)。過度な味付けがなく、香ばしさの中にお米の香りのするお煎餅。嫌みのない安心感のある味が、私は好きです。

2つ目は、手作りの富士かりんとうで知られる「一柳製菓本舗」(向島店:墨田区向島2-22-6ダイアパレス墨田公園1階 地図:Yahoo!地図情報)。50年以上の歴史を持つお店です。シナモン味、カプチーノ味などモダンなものが揃う中、特にユニークなものが、仕上げに干しぶどうと落花生をまぶした「レーズン・ピーナッツ味」。しっとりとしたレーズンは、かりんとうの食感を損ねるのでは、という先入観を裏切り、楽しいアクセントになっています。

そして3つ目は、三色の団子「小梅だんご」で知られる「埼玉屋小梅」(墨田区向島1-5-5 地図:Yahoo!地図情報)。併設の茶房でできたてを楽しむこともできます。

おまけにもう1つ、足に自信のある方は、東向島からスタートし「菓子遍路 一哲」(墨田区東向島4-29-6 地図:Yahoo!地図情報)に立ち寄るのもおすすめ。元製菓学校の先生が開いたお店で、行くたびユニークな味に出会えます。

いつも変わらない味で迎えてくれる向島の和菓子店を訪ねると、ほっとします。流行とは関係のないところで愛され続ける和菓子を食べていると、不思議と肩の力が抜けてきます。ただし、この楽しみ方ができるのは桜の時期以外でのこと。ぜひ今のうちに向島和菓子散歩をお楽しみください。
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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