(1) 信頼でき、話を聴いてくれる人に「つながる」
話すだけで苦しみが解けていくことも
その相手が専門的な知識を持っていなかったとしても、具体的なサポートを期待できないとしても、話を受け止めてもらえるだけで、気持ちが楽になることはあるはずです。親やきょうだい、親せき、友だち、上司など身近な人でもいいでしょう。
また、職場や学校の産業保健スタッフ、カウンセラー、保健センターや男女共同参画センター、女性センター等に設置されている悩み相談もいいでしょう。また、同じ問題、病を持つ人やその家族の団体、自助グループ等の市民団体にアクセスして、ピアサポートを体験することも大きな変化につながると思います。
公的サービスの場合は、原則的に無料で利用できるところが多いですし、自助グループ、ピアサポートの団体も利用しやすい金額で相談できるところが多いです。
(2) 身近な専門機関に「つながる」
問題解決に近づける相談機関はたくさんある
たとえば、借金の問題に関しては、各都道府県にある「消費生活センター」に多重債務の相談窓口がありますし、返済方法や債務整理などの相談ができる、公共の法的相談窓口「法テラス」があります。
労働や雇用の問題に関しては、都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」があります。生活苦の問題に関しては、生活再建支援の窓口を設けている自治体もありますし、最低限の生活が保障される生活保護を申請することもできます。
自殺予防総合対策センターのホームページの中には、各都道府県、また広域の各種相談窓口の一覧がありますので、最寄りの相談窓口を探すのにとても便利です。まずは、問題の解決に近づける相談窓口にアクセスしてみましょう。
→自殺予防総合対策センター「いきる・ささえる相談窓口」
市民団体、組合に「つながる」
ところが専門窓口に相談しても、支援が思うように得られない、解決へと向かわない場合も意外に多いものです。そんな場合には、各問題を専門的に扱う市民団体や組合につながる、という方法がお勧めです。よりたくさんの支援の情報が得られる可能性がありますし、市民目線、当事者目線での問題解決を一緒に考え、アドバイスをもらえることも多いものです。ちなみに、私自身もフリーランサーの労働組合に入っていますが、債権トラブルや、契約上の疑問を相談することができ、とても大きな心の支えになっています。
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現代の「いのちづな」―――それは、「苦しいとき」にこそ、話を聴いてくれる人や専門的な機関とつながることではないでしょうか? 求めれば必ず、「いのちづな」は見つかるはずです。1人で問題を抱えず、必ず相談をしてみてください。