ロジカルシンキングで情報整理
ロジカルシンキングを情報整理に活用
思考は、発想しただけではダメです。アイデアが沢山うまれても、それをバラバラに五月雨式に表現していては、相手にはなかなか伝わりません。発想法などで生み出したアイデアを、分かりやすく整理整頓して伝える必要があります。そのような整理整頓に役に立つのがまさにロジカルシンキングの手法です。
もちろんアイデア以外にも、あらゆるものの整理にロジカルシンキングの手法は応用できます。本やネットをつかっての「調査」や、過去の売上やアクセスデータなどの「分析」といった場面でも、調べた情報やシステムから抽出したデータを整理整頓して、自分が伝えたいものが相手に伝わるように加工しなおさなくてはいけません。これがまさにロジカルシンキングです。
ロジカルシンキングは、シンキングとい思考のツールです。考えて、整理して、表現するという3つのステップすべてにロジカルシンキングは応用できるのです。
情報を整理して、自分の言いたいことをまとめ上げるためのツールとして代表的なものを挙げてみます。
・ストラクチャー図
・プロセス図
・マトリクス図
・連関図
今回はピラミッドストラクチャーとプロセス図の2つについて解説します。
要点を簡潔に伝えるピラミッドストラクチャー(樹形図)
基本的なピラミッドストラクチャーの例
情報やデータがたくさんあるとき、結局なにが言いたいのかを簡潔に表現するのはとても難しいでしょう。ピラミッドストラクチャーでは、たくさんの情報やデータを整理して、最終的になにが言いたいのかを「メインメッセージ」としてまとめ上げる形になっているのが特徴です。
ピラミッドストラクチャーは、次の手順で作成します。
情報や言いたいことがたくさんある場合、それらを似たものでグルーピングしてみる
- それぞれのグループごとに、そのグループの情報で結局のところ何いいたいのか「メッセージ」を考えます。これをSo What?を考えるといっています。So Whatとは、「だからなんなの?」という意味で、いくつかの情報から結論として何がいいたいのかを搾り出すことです
- メッセージが複数できたらさらにSo Whatで考えて、最終的な結論としての「メインメッセージ」を抽出します。ピラミッドは何段でも構いませんが、普通は3~4段程度にしておくのが穏当でしょう
- ピラミッド全体を見て、論理をチェックします。縦と横の関係に注目し、論理的に繋がっているかどうかをチェックします
縦方向は、ピラミッドの上下が論理的に繋がっているかを検証します。横方向は、抜け漏れ、ダブりの視点でチェックします。本当にそれだけの根拠で、そうと言い切れるのか、抜けはないのか?もしくはダブっていないか、という点を検証します。
業務手順が一目でわかるプロセス図
プロセス図は、情報を手順の流れにそって整理したものです。代表的なものに作業の順番をしめした「ステップ図」、業務の手順を図示した「業務フロー図」などあります。たとえば、インターネットの回線の申し込といった複雑な手順からなる仕事があったとします。申し込みから開通までの流れを考えて整理するというのがあなたの役割です。
インターネット回線には、申込人と自社のほかに、電話局、プロバイダ、工事業者、など複数の関係者が絡みます。いつどういうタイミングでだれからだれに何が伝わって、どういう流れで申し込みが進んでいくのか、なかなか全部を正確に表現するのは難しいでしょう。
頭の中が整理されていないと、抜け漏れが発生したり、手順を間違えてしまうこともあります。このような場合、業務フロー図をつくることで、全体の流れを整理整頓することができます。
業務フロー図では、左から右に従い作業(手順)が流れていきます。1つの作業を1つの四角の中に書いて、それを矢印でつなげていきます。途中で分岐したり、分岐したものが1つにまとまったりすることもあります。
業務フロー図を簡単に書くには、次のステップで行うとよいでしょう。
- パワーポイントなどの書き換え可能なツールを用意します
- 作業をあらわず四角形を作ります。関連する作業を洗い出して、四角の中にそれぞれ書き込みます。
- パワーポイント上で、四角形を動かしながら並べ替えて矢印でつないでいきます
このとき、意識するのは
3‐1.前後関係はただしいか?
3‐2.抜けている手順はないか?
3-3.ダブっている手順はないか?
という点です。とりわけダブっている手順について考えることで、無駄な手順を省いたり、効率的な手順を考えたりするヒントになります。
【関連記事】