マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

マンション選びはキッチンから?種類や各特徴、注意点

マンションで採用されるキッチンのスタイルを3つご紹介し、それぞれの特徴を説明します。キッチンは毎日必ず使う場所。使いやすく、家族のライフスタイルに合ったキッチンを選ぶようにしましょう(2018年9月改訂版/初出:2010年12月)

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

マンション購入の決め手はキッチン?

面積に限りのあるマンションでは、キッチンは無駄なスペースがなくコンパクトに設計されていることが多く、必要最低限の設備は流し台(シンク)、コンロ、レンジフード。そして冷蔵庫と食器棚置き場用のスペースが必要です。
 
シンク、コンロが組み込まれたコンパクトなシステムキッチンが採用されています。

シンク、コンロが組み込まれたコンパクトなシステムキッチンが採用されています。


最近の分譲マンションではほとんどの物件でシンクやコンロが組み込まれているシステムキッチンが導入されています。システムキッチンは各メーカーからさまざまなデザイン、特色のあるものが出ています。

毎日使う設備であること、使う人によって好みが異なる部分なので、どんなシステムキッチンを使っているか によって「マンションの購入の決め手」とする人もいます。
 

マンションのキッチンの種類

最近の分譲マンションで採用されるキッチン形式には大きく分けて3つあります。

・独立型キッチン(クローズドキッチン)
・セミオープンキッチン(対面型キッチン)
・アイランド型キッチン(オープンキッチン)

どの形式のキッチンが使いやすいかは、キッチンを使用する人の好み、やりやすさ、家族のライフスタイルにより様々です。これからそれぞれのキッチン形式の特徴をまとめますので、ご自身にはどんなキッチンが向くか考えるときの参考にしてください。
 

独立型キッチンの特徴とおすすめポイント

独立型キッチン(クローズドキッチン)とは名の通り、キッチンが壁やドアで他の部屋と区切られており、一つの部屋として独立している形式をいいます。
 
独立型キッチンの例。扉を閉めればキッチンは独立した部屋になります。

独立型キッチンの例。扉を閉めればキッチンは独立した部屋になります。


【特徴】
キッチンの広さが必要なため、専有面積がある程度大きな住戸で採用されやすく、広いためキッチンの設備が充実していることが特徴です。調理の際のニオイや音が他の部屋に漏れにくく、生活感を隠せます。扉を閉めると他の部屋にいる人の様子はわかりません。料理に集中できる環境となります。

【こういう人におすすめ】
本格的なお料理をしたい人、リビング・ダイニングからキッチンの生活感を隠したい人に向いています。

【ここに注意】
キッチンとダイニングの動線は長くなります。リビングにいる家族の様子がわかりにくいため、小さなお子さんのいるご家庭には向かないかもしれません。

 

セミオープンキッチン(対面型キッチン)の特徴とおすすめポイント

セミオープンキッチンとは、リビング・ダイニングに向けて流し台の前の壁が開放されているものの、カウンターや吊り戸でキッチンの一部が隠れ、キッチンとリビング・ダイニングの空間がゆるやかにつながっている形式をいいます。
 
セミオープンキッチンの例。今若いファミリーで最も人気のある形式。

セミオープンキッチンの例。今若いファミリーで最も人気のある形式。


【特徴】
キッチンにいながらリビング・ダイニングの様子が分かること、コミュニケーションが図れること。お料理する人が孤独感を感じずにすみます。シンクの前にカウンターや収納で立上りをつくり、リビング・ダイニングから手元が見えないようにしているものもあります。

 
セミオープンキッチンの例。キッチンからリビング・ダイニングが見渡せる

セミオープンキッチンの例。キッチンからリビング・ダイニングが見渡せる


【こういう人におすすめ】
小さな子どもをリビングで遊ばせながら炊事ができるので、小さなお子さんのいるファミリーには最も人気のあるキッチン形式です。

【ここに注意】
キッチンで発生するニオイや音がリビング・ダイニングに漏れる可能性があります。
 

アイランド型キッチン(オープンキッチン)の特徴とおすすめポイント

アイランド型キッチンとは、島(=アイランド)のようにシンクの四方がオープンなキッチン配置のことを指します。
 
アイランド型キッチンの例。きれいに片づけが出来る人向き。

アイランド型キッチンの例。きれいに片づけが出来る人向き。


【特徴】
キッチンがリビング・ダイニングと一体でさえぎるものがなく、空間が広々と使えます。火を使う、汚れる、臭うことからクローズされがちなキッチンにおいて「フルオープンなキッチン」という形は分譲マンションでは今まであまり見かけませんでした。しかし、近ごろ人気が出てきたキッチン形式です。
 
アイランドキッチンの例。お客様を招いてみんなで料理を作ることも可能。

アイランドキッチンの例。お客様を招いてみんなで料理を作ることも可能。


【こういう人におすすめ】
最近は、料理は女性だけがするものではなく一緒に楽しもうという男性も増えました。家族でワイワイとお料理するのにアイランド型キッチンは適しています。また、友人を招くのが好きで、週末にはパーティを開くようなライフスタイルのご家庭にも向くでしょう。

【ここに注意】
リビング・ダイニングからキッチン全てが見えるため、お掃除ができる人、お掃除が苦にならない人にお勧めです。きれいを保つためには、お掃除のしやすさや収納力も欠かせません。お掃除のしやすさでは生ごみをその場で粉砕処理してしまうディスポーザーや、首が伸びてシンクの隅々まで洗える水洗の有無、収納力ではモノを隠せる扉つきの収納が充実しているプランがお勧めです。

またニオイが漏れないようにレンジフードの排気能力が高いもの、音が静かなもの。音が響かないという点では、水はねの音が抑えられる静音シンクの有無も確認したいところです。
 

キッチンへのこだわり

今回はマンションで採用されるキッチンの形式を3つ取り上げ、それぞれの特徴とメリット、注意点をまとめました。キッチンへのこだわりとして、ワークトップ(天板)の種類を挙げる人もいます。一般的な天板は人工大理石やステンレスになりますが、天然石にこだわる人も。重視するのは耐久性か、お手入れのしやすさなのか、高級感なのか。こだわりたい部分の優先順位を決めておくと、マンション選びがしやすくなると思います。

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