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小江戸川越マラソン、運営の実情と反省点(2ページ目)

今年の注目ニューフェース大会として紹介してきた、小江戸川越マラソンと奈良マラソンが相次いで開催されました。予想通り、両大会コースの素晴らしさが高い評価を得たようですが、小江戸川越には大会運営に関して厳しい評価が。その要望は良い大会への指針でもあるようです。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド


改善を望む声も多数

ゴーrしてから給水所までが遠くて疲れたランナーからブーイング

フィニッシュから給水所までが遠く、疲れたランナーからブーイング
 

完走証の発行に時間がかかり長蛇の列。晴れで良かった

完走証の発行に時間がかかり長蛇の列。晴れで良かった
 

賞品はたくさんあったが、予定時間を大幅に遅れての抽選会は一考を要す

賞品はたくさんあったが、予定時間を大幅に遅れての抽選会は一考を要す

参加者の評価は、「コースは最高で感激した、ボランティアや沿道の応援に励まされた、来年もぜひ開催して欲しい、来年も参加したい」という声がほとんどでしたが、その反面、改善点の要望も多数ありました。
「初回の大会だから混乱はつきもの」と寛容の心があるものの、改善すれば良い大会になりそうだからぜひ改善して欲しい、という期待が込められていたようです。
大会実行委員会の方々にも、改めるべきは改める点としてランナーの声を次回に活かしてほしいと思います。
主なものを挙げると次のような点です。

・参加賞はもらってもうれしくなかった。再考を
・スタート地点への案内が不足・不明
・スタート直前までセレモニーを設定したプログラムにムリがあり、スタートに遅れた
・トイレが少ない(会場もコース中も)
・走路が混んで渋滞。募集人数が多すぎるのではないか
・途中もう一箇所の給水を
・キロ表示がなかったところがあった
・ゴール後、(疲れているのに)給水コーナーまでが遠かった
・記録証の発行に長時間かかった
・帰りのバスの案内がなかった(または混乱していた。やむを得ず歩いた人も多数)
・表彰式、抽選会が始まるのがたいへん遅かった

この他にもゲストの言動についてや、電話で申し込みを申し込みをされた方からは電話がつながらなかった(最近の大会には珍しく電話受付があった)、自転車置き場の案内が不充分などの指摘がありました。

トイレが載っていない会場地図

確かに参加者に配布されたプログラムや資料を見ると、こうした指摘は当然でした当然でした。
例えば、地図にはスタート・フィニッシュポイントは載っていますが、どこに並ぶのかが記されていません(待機場所は載っています)。トイレや荷物預け、記録証発行の場所が記されていません。
記録証の発行については、パンフレットには当日発行と記されていますが、プログラムには後日郵送と載っていました。
送迎バスについては、朝の送りバスはについては案内されているのですが、帰りの迎えバスについては記載がありません。参加者が混乱するのも無理がなかったでしょう。

なぜか遅いランナーを前に

混雑については、選手の並ばせ方に原因の一つがあったと思われます。
ハーフの部、10kmの部とも、先頭ブロックから自己申告タイムの早い順に、「男子500名+女子250名」ごとの整列でしたが、女子選手の走力と参加率(17%弱)を考慮すると、各ブロックの男女比はせいぜい「男子600名+女子100名」程度にしておくべきでした。
結果的に遅い選手が前方に沢山いるためにスタートラインを超えるまでに渋滞が生じ、ダンゴ状態が6km椙まで続いたようです。
タイム順のスタートは、スムーズで安全な走行のための良策ですが、折角申告タイム順にナンバーを振りながらなぜその通りに並ばせなかったのか大きな疑問です。

簡単に解決できる問題が多い

今回はハーフの部7000名、10kmの部2500名ということで、ハーフ参加者が特に多く、トイレの絶対数不足だけでなくこれも一時的なトイレ混雑を激しくした原因でしょう。目立たないところのトイレは案外空いていたという報告もあり、案内をもっと充実させていればもう少し良い状況だったのではないかと思います。

地図を作り替えたり看板を増やしたり、プログラムや会場レイアウトを工夫するだけで解決する項目がたくさんありますし、そのほかの問題も解決は用意だと思います。折角コースやスタッフの熱意が高得点を得ながら総合評価は並になってしまった小江戸川越マラソンですが、真摯に市民ランナーの意見を受け止めれば、一気に評価は高まると思われます。
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