これで撃退!「なるほど」のコツ
ATMに行くと、操作を指示されてしまいます |
「携帯電話は持っていますか?」
という質問です。携帯電話がなければ、現金自動預払機(ATM)で振り込みをする(振り込みを受けると思い込ませて実は振り込みをさせる)操作を伝えることが出来ません。そのため、まずこの点を確認しようとするのです! この質問に対して、
「携帯電話は持っていません」
と答えればいいのです。これが防犯ガイド佐伯の提案する撃退法です! 実際に、「携帯は持ってません」と答えたら、ガチャっと相手から電話を切られた、という人がいます。今どきは大方の人が携帯電話を持っているものですが、元より、顔も見たこともない見知らぬ他人からの質問に、素直に答える必要などまったくありません。あると答えたら最後、「では、これから振込みの手続をしますから、お近くのATMに行ってください」ということになってしまうのです。
「携帯電話は持っていません」と答えれば済む話なのですが、人は電話ではなぜか素直に答えてしまうという傾向があります。ましてや、「お金をあげましょう」という内容の電話です。その点に満足して安心しきっている状態です。「オレオレ詐欺ならお金を奪われるかもしれないが、お金をくれるというのだから詐欺じゃない」と思ってしまっているのです。「携帯電話を貸してくれる人はいませんか?」などと訊かれても、「いません」と答えなくてはなりません。
また、現時点では、この撃退法は有効と思われますが、これを知ってまた詐欺師たちが、次のどんな手を考え出してくるか分かりません。残念ながら、彼らに手口を知らせるわけにはいかないため、たとえばこんなやり方で、ということはここでは記述できません。いずれにしても「携帯電話は持っていない」と答えることによって、携帯電話を持ってATMの操作を指示されることがなければ、ATMを使っての振り込め詐欺被害は避けうるはずですから、被害を受けるかもしれない人たちにこの点を伝えておきましょう。
自分の親や祖父母、また身近な年配者たちに、「還付金詐欺でお金を奪われないように」と、話をしておくことが大切です。この際、出来るだけ具体的に解説してあげましょう。「どこの誰と言われてもすぐに信用してはいけない。相手の名前と所属、電話番号を必ずメモして」「すぐにATMに行かないで、その前に○○に電話して」「携帯電話を持っているかと訊かれたら、持っていないと答えて」と、いざというときに伝えられる家族などを決めておきましょう。また、電話機に録音機能があれば、不審な相手からの電話は必ず録音して聞き直すように取り決めておきましょう。
被害に遭ってしまったあとで、家族が「ちゃんと話をしておけばよかった」「自分に聞いてくれれば振り込ませたりしなかったのに」と嘆いたり、被害者が「そういえばテレビや新聞で還付金詐欺について報道していたわ。まさか自分が被害に遭うなんて」と思っても、もう遅いのです。対策は事前にしてこそ意味のあることなのです。「情報と知識」で被害を防ぎましょう。
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