企業のIT活用/システム導入方法

目的にあった複合機の選び方(2ページ目)

昔はコピー、プリンター、イメージスキャナ、FAXを別々に揃えましたが、今は複合機として1台にまとまっています。複合機は大型機から小型機まで様々。目的にあった複合機の選び方をみていきましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド


便利なステープル機能、フォームオーバレイ機能

ステープル機能があればパンフレット作りなどを自社でできる

ステープル機能があればパンフレット作りなどを自社でできる

ステープル機能があると、例えば10部印刷するとソートしてホッチキス止めまでしてくれて手間いらず。高級なものになるとパンチ穴を開けたり、A3の紙を三つ折りにしてA4に製本する機能もあります。小冊子や製品パンフレットを印刷会社に外注しなくても自社でできてしまいます。これらはフィニッシャーと呼ばれ、複合機のオプションで提供されています。

伝票を印刷する場合、伝票の罫線などが印刷された専用用紙をセットしてデータを印刷します。複合機にフォームオーバレイ機能がついていると専用用紙は不要。罫線などのフォーム・レイアウトをデジタル・データとして持ち、印刷データとフォーム・レイアウトを合成して普通の用紙に印刷できる機能です。専門用紙がいりませんので在庫管理などが不要になります。

複合機にかかるコストはいくらか

高機能な複合機は500万円以上する

高機能な複合機は500万円以上する

当然のことながら機能が増えれば増えるほど価格は高くなります。安い複合機は1万円からありますが、高速で画質のよい高級機になると500万円以上。さらにフィニッシャーなどのオプションを加えていくと1000万円近い金額になります。

複合機を買取する場合、10万円以上30万円未満であれば資産に計上してから「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」を活用して全額を損金計上できます。10万円未満の場合は消耗品費として全額を損金参入します。

高級機になるとかなり大型になるので別途、搬入費や初期設定費が必要になります。また最初に使い方の講習がありますが、機能が豊富だと使いこなすのも大変。マニュアルと格闘することになります。

イニシャルコスト以上に気をつけないといけないのがランニングコスト。ゼロックスがコピーを発明しましたが、それ以上の発明と言われているのがイニシャルコストではなく、ランニングコストで儲けるビジネスモデル。インク代、トナー代、紙代が思った以上にかかります。

保守契約費に注意

故障修理やメンテナンスにかかる保守契約費に注意

故障修理やメンテナンスにかかる保守契約費に注意

保守契約費も重要です。保守契約にはカウンター方式、年間保守契約、スポット保守契約があります。

カウンター方式は月1回ほどサービス員が訪問し、複合機のコピー使用枚数によって保守料金を計算するやり方です。料金には定期点検・訪問料金・部品代が含まれています。不具合があればメンテナンスしてくれます。トナー代は消耗品扱いで別料金になります。各社によって名称は様々ですが、サービス内容はほとんど同じです。

年間保守契約はカウンター方式のように変動料金ではなく、固定料金にする方式です。企業にとっては予算計上しやすくなります。

スポット保守契約は、消耗品の購入だけで修理が必要になった時に訪問料金や部品代をスポットで支払うやり方です。故障がない間はよいのですが、故障が多発すると高い買物になってしまいます。メンテナンス業者ではカウンター方式をすすめています。

ランニングコストを下げるには

ランニングコストを下げるには、なるべく印刷せずパソコンで確認できるものは確認する社内文化にしていく必要があります。ICカード認証機能をオプションでつけられる複合機があります。セキュリティの面もありますが、多くの企業では部門ごとにカードを発行し、印刷枚数を部門ごとに把握し、コスト計算するのに使っています。中小企業の中には複合機の横に帳面を起き、目的、部門名、担当者名、枚数を記帳させることで印刷の抑制をしている企業もあります。


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