マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

マンションのリビングは縦長と横長、どちらの間取りがいい?

マンションの間取りは、リビングとダイニングが横につながっている「横長リビング」の間取りと、縦につながっている「縦長リビング」の間取りがあるのに気がつきます。間取り図を見ながら横長リビングと縦長リビングの特徴を比較してみましょう。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

マンションの間取り:横長リビング・縦長リビングとは

マンションの間取りを見ていると、リビングとダイニングのつながり方に横と縦の2パターンがあることがわかります。ここでリビングとダイニングが横に並び、それぞれがバルコニーに面している間取りを「横長リビング」、リビングのみバルコニーに面してダイニングはその奥にあり、縦方向に並んでいる間取りを「縦長リビング」と呼びます(【図1】参照)。
マンションの横長リビングと縦長リビング

【図1】横長リビングと縦長リビング(クリックで拡大)


好みで選べるように、同じマンションでも2通りの間取りが用意されていることもあるようです。今回はそれぞれの特徴について解説します。
   

明るく開放感のある「横長リビング」

それでは「横長リビング」の間取りを確認してみましょう(【図2】参照)。横長リビングの間取りでは、リビングとダイニングはそれぞれバルコニーに面して横に並んで設けられており、リビングの奥に洋室または和室、ダイニングの奥にキッチンがあります。
【図2】横長リビングの間取り。リビングの奥にある洋室(和室)の使い方がカギとなる

【図2】横長リビングの間取り。リビングの奥にある洋室(和室)の使
い方がカギとなる。

 

横長リビングのメリットとデメリット

■メリット

 
横長リビングの間口いっぱいについたワイドサッシで室内は明るい

横長リビングの間口いっぱいについたワイドサッシで明るい室内
 

・バルコニーに面してワイドサッシ(幅広のサッシ)を設けることができる。
・リビング、ダイニングそれぞれに窓があり、明るく開放感がある。
・キッチンも明るい。
・リビングとダイニングが左右振り分けでゾーニングが明瞭なので、使いやすい。
・間にある建具を開ければ、リビングとリビング奥に接する洋室(または和室)を一体的に使える。

デメリット
・リビングの奥にある洋室(または和室)は窓がなく、通風・採光が期待できない。またエアコンがつかないケースがあり、独立した部屋として使いにくい。
・リビング・ダイニングは窓が大きい分、壁が少なく家具の配置が難しい。
・広さにもよるがダイニングスペースがやや狭い間取りもある。

それでは次に縦長リビングの特徴を見てみましょう。
 

家具配置がしやすい「縦長リビング」

リビングのみバルコニーに面し、そのリビングの奥にダイニング、さらにその奥にキッチンが配された間取りを「縦長リビング」と呼んでいます(【図3】参照)。
【図3】縦長リビングの間取り。リビングの奥にダイニング、その奥にキッチンがあり、縦に並んでいる。

【図3】縦長リビングの間取り。リビングの奥にダイニング、その奥にキッチンがあり、縦に並んでいる。

 

縦長リビングのメリットとデメリット

■メリット
・バルコニーに面して設けた洋室(または和室)に通風・採光が取りやすく、個室として使いやすい。
・リビングと和室(洋室)の間のふすま(引き戸)を開けて一体としても使える。
・リビング・ダイニングは壁が多く、家具の配置がしやすい。
 
縦長リビングの横にある和室は通風・採光に恵まれ、個室使いしやすい

縦長リビングの横にある和室は通風・採光に恵まれ、個室使いしやすい


デメリット
・ダイニングとキッチンが奥まった位置にあるので暗くなりがち。
・リビングとダイニングのゾーニングが明瞭ではなく、区別がつけにくい。
・バルコニー近くの畳が日に焼けやすい。
 

どちらを選ぶ? ポイントは個室の役割を考えること

横長リビング・縦長リビングを選択する時は「リビングにつながる個室の役割をどう考えるか」が大きなポイントになってきます。

横長リビングの奥にある洋室または和室は独立性が高いとはいえないこと、それに対し縦長リビングの横にある洋室または和室は独立した個室として使いやすいという特徴があります。

この洋室または和室をどのように使うのか、もし将来的に個室として使わずに済むのなら横長リビングの間取り、将来的に子ども室や寝室として使うのであれば縦長リビングの間取りを選ぶというように、家族構成や用途を考え将来的な視野を含めて検討しましょう。
 

縦長リビングを購入するときの注意点

縦長リビングの場合、将来的に隣の和室または洋室との境にある壁やふすまを取り払い、大空間として使いたい、と考えることもあると思います。このとき注意したいのが天井にある梁(はり)の位置です。

マンションの室内で、天井から梁が出ても壁際や建具の上部なら目立たないのですが、壁や建具を取り払った時に天井に梁が残ってしまうと、空間としての一体感に欠けてしまう可能性があります。

将来的なリフォームで「しまった」とならないために、間取り図で梁の位置をチェックしておきましょう。パンフレットを取り寄せ詳細な間取り図を見てみると、天井が下がっている部分に点線が引かれ、そこに天井高さが記入されています。

例えば【図3】で取り上げた縦長リビングの間取りで、リビングと洋室の境目の天井が下がっていなければ、そこに梁はないということになります。その場合、リフォームで境の壁を取り払えばリビングと洋室が一体となり、広いリビングとして使うことができます。

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