「成功」に導く大切な「盛り上げ」
川越まつり一週間前とあって、街には紅白の幔幕が張られて気分もウキウキ
川越では毎年10月の中旬に関東三大祭りの一つといわれる川越祭りが行われます。江戸の天下祭りを模して江戸時代に始まったもので、江戸の山車が空襲でほとんど残っていない今となっては、天下祭りの名残をよく残す祭りとして国指定重要無形民俗文化財にもなっています。
この川越まつりも祭りの日に突然山車が曳き回されるのではなく、祭りが近づくとあちこちでお囃子の音が聞こえるようになり、今年もお祭りの季節になったなぁと市民に気づかせます。一週間前になると軒先には紅白の幕が途切れることなく張り巡らされます。
こうして祭りに向かって盛り上がっていくわけですが、マラソン大会も同じこと。盛り上げるイベントが必要です。そこで大会の実現を目指す目的で考えていたファンランのイベントを、本大会を盛り上げる目的で、本大会前にやってみようということになりました。
「勝手連」的にやろう!
ただし、本大会の役員の方々(市の関係職員、商工会議所の関係会員、陸協メンバー)はとても新たにイベントを追加するような余裕は、人手も時間も割けないように見受けられたので、これまで語り合ってきた5人が発起人となり、勝手にやろうということにしました。ただ、まったくバラバラの5人が集まったわけではなく、5人は地元の市民ランニンググループ、「川越走友会」と「若葉グリーンメイト」の会員でしたから、この二つのメンバーに協力を依頼できたというアドバンテージはありました。最初の企画は大風呂敷
実行に着手したのは7月はじめです。私がまず企画の素案を作りEメールで諮りましたが、これは自分でも認める大風呂敷。雄大ですが短い期間では実現不可能なことはわかっていたので、そこから各人の意見を反映して現実性のあるレベルに企画の縮小をはじめました。そしておおよその企画案をまとめたところで第一回の発起人のオフラインミーティングを8月始めにカフェで行いました。その後の連絡はもっぱらメーリングリストも含めたメールです。今振り返ると、発起人の会合はこの一回だけで、次はそれから約一ヶ月半後に行ったスタッフ全体ミーティング(試走会)だったのですから、なかなか効率的だったかなと思います。
本大会実施日は11月28日、その応募締切が10月15日。10月16日、17日に川越祭りが行われることと、9月中では暑いだろうという条件等を考え合わせると候補に残ったのは10月3日か10日。さらに本大会関係のスケジュールとの調整で10月10日に実施と決めました。催しまで2ヶ月少々です。
本大会を補完する内容に
まず大会の内容ですが、コース前半は本大会ではすっと走り過ぎてしまう蔵造りの街並みやコースから外れた名所をたっぷりと回り、ポイントでは立ち止まってガイドランナーが簡単な観光ガイドもすることにしました。募集人員は100人としました。参加者を15~20人ずつのグループ分けし、それぞれにガイドがついてウエーブスタートすることにより、道幅が狭く観光客の多い川越の旧市街もスロージョギングなら走り抜けられるだろうという計算です。ガイドを務めるスタッフの数や会場(銭湯)の規模を考えると、募集人員は100人が限界だろうという判断です。
コース後半は市街地を外れた田園風景の中をゆったりと走ってもらうという合計12kmです。後半は速くなっても構わないのですが、前半は超スロージョギングです。走り屋さんには物足りないかもしれませんが、本大会を補完する内容になるだろうと考えました。
街の方々に対してはランナーが走っているということを認識してもらうために目をひく方法として、参加記念品にバンダナを作り、参加者とスタッフには必ずこのバンダナを身につけていただくことにしました。
それだけではまだ盛り上げに欠けるということで、フィニッシュ後にクイズ大会を実施し、サプライズな賞品を用意しました。
また、ランニング後の汗を流してもらうために、近くの銭湯(旭湯)に時間外に営業(結果的に開催日がずれたために定休日に臨時営業していただくことになった)を開始していただきました。