母乳育児・授乳/母乳育児の基礎知識

免疫・栄養たっぷりの初乳とは?分泌促進のコツは?

初乳は生後1週間の間に出るものをいい、免疫抗体(IgGやIgA)やラクトフェリンなど、生まれたばかりの赤ちゃんに必要な栄養素や免疫がたくさん含まれています。妊娠中からのお手入れと、少量でもよいので吸わせる努力が、初乳分泌促進のカギです。

浅井 貴子

執筆者:浅井 貴子

母乳育児ガイド

初乳は出産後1週間に出る、免疫たっぷりの母乳

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初乳の色は濃い黄色

出産後、母親の乳房から分泌される粘性のある半透明~黄色味が強い乳汁のことを初乳といい、その後に出る母乳(成乳)とは区別されています。初乳が分泌される期間は、文献により5日~10日と幅がありますが、ほぼ産後1週間と考えてよいでしょう。ということは、入院期間中の母乳はほぼ初乳であると言っても過言ではないでしょう。

初乳には、成乳と比較するとたんぱく質や脂肪分が多く、赤ちゃんの喉や消化器官を病気から守ってくれる免疫抗体(IgGやIgA)やラクトフェリンなどが多く含まれているのが特徴です。 また赤ちゃんの始めてのウンチである胎便(黒っぽい海苔の佃煮のような色)の排出をよくしてくれる作用もあります。

妊娠中のお手入れと、産後すぐ吸わせることが初乳分泌の秘訣

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赤ちゃんが元気なら分娩台の上からでも吸わせてみよう

臨月に入り乳頭のお手入れをしている人は初乳の出が早く出やすい傾向があります。通院中の病産院や自治体でやっている母親学級や民間のおっぱい相談室などの教室で相談、指導してもらうとよいでしょう。

切迫早産などでお手入れができなかった人でも、出産後なるべく早く分娩台の上からでも吸わせられると、乳管が開きやすくなり、初乳の出がよくなります。入院期間中は赤ちゃんも上手に吸ってくれなかったり寝ていることも多いのですが、抱き方を工夫したり、赤ちゃんの足の裏をこすったりして、なるべく起こすようにすると初乳をたくさん飲んでくれます。この時期はママとの根競べ。忍耐力の必要な期間でもあります。初産の人や乳頭にトラブルのある人は、入院中に助産師さんにみてもらってください。 また赤ちゃんが小さく生まれて保育器に入ったり、すぐ初乳を与えられないときなどでも、搾乳をして5ccでも10ccでも赤ちゃんに届けてあげてください。

最後に、この言葉をご紹介と思います。「一番最初に赤ちゃんの消化器を通るものは、その子を生んだ母親の初乳であって欲しいと思います」 内藤寿七郎博士『育児の原理』より。

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