「マイ・アイスブレイク」の会話モデル例
相手を主役にすれば会話は進む
(自分):「こんにちは」(←ステップ1:あいさつ)
(相手):「こんにちは」
(自分):「今日はいいお天気ですね」(←ステップ1:天気の話)
(相手):「そうですね」
(自分):「わた雲が浮かんでましたよ。1日ぽかぽか天気になりそうですね」
(相手):「わた雲。そうですか、わた雲って晴れた日に出るんですねぇ」
(自分):「そうなんですよ。だから私、わた雲が浮かんでると、ちょっとしあわせな気持ちになるんですよね」
(相手):「綿菓子みたいで食べたくなっちゃいますよね」
……少し間を置いて、「ステップ2」へ……
(自分):「ブーツ、とっても似合ってますね。秋、先取りって感じがします」(←ステップ2:印象をほめる)
(相手):「そうですか? ありがとう」
(自分):「ステキですね、季節を意識するのって。そろそろ紅葉も始まるころですよね。どこか行かれます?」(←ステップ2:お楽しみの話題)
(相手):「はい。彼と京都に旅行に行こうかなって話してます」
(自分):「秋の京都! いいですよね。どのへん回る予定なんですか?」
こんな感じでお楽しみの話題まで進んでいけば、あとは話が楽につながっていきます。実際にはこんなに話が弾んでいかないことも多いと思いますが、あくまでもアイスブレイクが目的なので、そのときに一瞬でも場が和んで、二言三言でも楽しい会話をかわせればそれでOKなのです。
「相手を主役」にして会話を進めていく
ただし忘れてはいけないのは、会話を進める際には「相手を主役」にするために話題を振っていくということです。たとえば、天気や歳時記を話のネタにするときなどでも、自分の知識の披露がメインになってしまい、鼻もちならない一方的な会話になっているケースがよく見受けられます。私がここで例示した「わた雲」などのキーワードは、あくまでも相手の反応をひきだすためのネタにすぎないのです。質問されたときに少し解説すればいいのであって、求められないのに講釈に終始するのは、興ざめです。「相手が主役」なのですから、相手に楽しんでもらえそうな、相手がつい応えてしまいそうな話題を振る、という程度にとどめておくことが大事です。
初対面でも緊張する相手でも、アイスブレイクがうまくいけば、よい印象を持って受け止められ、その後の会話もスムーズにいきます。人間関係に苦手意識を持つ人は、ぜひ自分なりの「マイ・アイスブレイク」の様式をつくっておき、ステップを踏んで会話を進めていかれるといいでしょう。