「マイ・アイスブレイク」には「様式」が大事
私なりの「様式」があれば初対面の相手でも話しかけられる
まず、特に初対面の人との会話、緊張する場面での会話には、話のきっかけとしての「様式」を準備しておくことが大事。緊張していても、様式にしたがって会話を進めていけば、抵抗なく話が進んでいきます。
たとえば私がよく行っている「マイ・アイスブレイク」の様式は、次のようなものです。
第1ステップ:あいさつと「天気の話」
第2ステップ:相手に関心を示す会話
では、具体的に紹介していきましょう。
第1ステップ:あいさつと「天気の話」
(1) 自分からあいさつをするあいさつの後には「天気の話」。月並みだけど大切なこと
したがって、最初のあいさつに笑顔は必須ではありません。あいさつに続く会話が楽しくなれば、笑顔は自然にこぼれていきます。最初から無理してつくるものではないのです。まず初めは、相手の目を見て軽く会釈し、「こんにちは」と一言言えるだけで十分です。
(2) 天気の話、季節の話
(1) の基本的なあいさつができたら、次はお決まりの「天気の話」「季節の話」に進みます。「天気の話」はよく「つまらない話題」の代表のように言われていますが、こうした話題ほど万人受けをし、きっかけに使えるネタはありません。つまらなく感じるのは、話の膨らませ方が下手だからです。
「今日は雨ですね」「そうですね」……これだけで終わるから、つまらない話題なのでしょう。「そうですね」と言われた後に、どういう話題を投げられるかが重要です。たとえば、「久々のおしめりですね。たまの雨も気持ちが落ち着いていいですね」そんな話の振り方でいいでしょう。天気の話をもとに、会話の方向性を少しポジティブに持って行けば、相手も少し和やかな気持ちになれるはずです。
こうした「天気」をネタにした話題のパターンをいくつか自分の中に準備しておくといいでしょう。たとえば次のような例です。
(例)
■ 気象や空の状態
「1日いいお天気になりそうですね。わた雲が浮かんでますよ」
「寒いですね~。今朝は木枯らし一号が吹いたらしいですよ」
■ 歳時記の話題
「夜までお天気もつかな? 今晩、十三夜なんですよね」
「朝晩冷え込んできましたね。もうすぐ立冬でしょう?」
こんな風に「天気」や「季節」は、話題が膨らみやすいネタなのです。天気のキーワードを学ぶには、子ども用の図解事典などを一冊買っておくことをお勧めします。雲の形、風など自然現象と気象との関係について分かりやすく解説されているため、目を通しておくといざというときの「マイ・アイスブレイク」のネタに使えます。
また、歳時記も読みやすいイラスト入りの実用書がたくさん出ています。1ヶ月を2回に分けた日本ならではの「二十四節気」なども、話のきっかけの話題にとても適していますので、一読しておくといいでしょう。さらに、部屋には季節の歳時や気候、季節の花と自然、月の満ち欠けなどが記入されているカレンダーをかけ、毎朝出かける前に目を通しておくと、アイスブレイクの話題に困らなくなります。
よく「話題がないから話せない」という人がいますが、そうした人は、そもそも頭の中に話題を含ませるだけの材料を持っていないことが多いのです。人と発展的なコミュニケーションをしたいなら、天気や季節などのたわいのない話題にも関心を持ち、知りたいと思う気持ちを持つこと。普段から天気予報を見、気象や季節にまつわる話題に目を通しておくことは、とても大切なことなのです。