普段の会話にも「アイスブレイク」を!
初対面、緊張する相手は苦手。「逃げ出したい!」と思ったことはありませんか?
そんな人は、自分なりの「マイ・アイスブレイク」法をいくつか備えておくことをお勧めします。「アイスブレイク」とは、直訳で「氷を溶かす」という意味。グループワークなどで、場の緊張感をほどいて会話をしやすくするためのきっかけづくりとして用いられる、ちょっとしたエクササイズのことです。このアイスブレイクを初対面での会話や緊張する場面などで意識的に用いてみると、緊張せずに会話が続きやすくなります。
「マイ・アイスブレイク」に名刺は不要!
アイスブレイクには、まずは自分の「肩書き」を外した会話を心がけることが大事。「1人の人間」として人に向かい、心を通わせたいと思う気持ちが必要です。社会人は、名刺を携え「わたくしは○○社の○○です。あなたは…?」といった会話から始めるのが定石。肩書きに自信がある人ほど、「名刺交換から始めた方が緊張しないで済むのに」と思うでしょう。しかし、肩書き前提のコミュニケーションにばかり頼っていると、1人の人間として他人と向き合ったとき、どんな会話をしたらいいのか、頭が真っ白になってしまうものです。
人は、肩書きを外した「素の自分」として向き合ってくれた相手にこそ、信頼を感じるものです。「あの人はいい人だった」「また話したい」と印象深く思ってもらえるのも、「素の自分」として向き合い、関わってくれたからこそなのです。
先入観持たずに、まずは「楽しく話す」
私が行っているコミュニケーション関連のセミナーでも、自己紹介の前には「必ず」と言っていいほどアイスブレイクのエクササイズを取り入れるようにしています。聴講者が周りの人の「肩書き」にとらわれてしまうと、「ふ~ん、あの人○○社なのか! 大手だな」「なんだ、このセミナーには“この手の人”ばかり集まってるんだな」というような先入観ばかりが先に立ってしまい、心を通わせ合う余地をなくしてしまうからです。アイスブレイクを経験して一緒に笑いあい、たわいない話題をやりとりしあったうえで自己紹介に移った方が、初対面ならではの緊張、お互いへの先入観を持たずに、会がなごやかに楽しく進行していきます。
このように、アイスブレイクはグループワークでよく利用されるものなのですが、一対一の会話でも意識的に使うことができます。私がお勧めしたい普段の会話での「マイ・アイスブレイク」の用い方について、次のページから解説していきましょう。