セクシュアルマイノリティ・同性愛/映画・ブックレビュー

死をも乗り越える恋の強さ…映画『シングルマン』(4ページ目)

10月2日から公開されたトム・フォード初監督作『シングルマン』。オープンリー・ゲイであるトム・フォードの美学とゲイテイストがこれでもかと詰まった映画ですが、そこに描かれた「人生の皮肉」とも言うべき愛の物語について、お伝えしたいと思います。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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おまけ連載

 

第28回 命の問題

3年前くらい、あまりにハードな日々が続いたこともあり、うつになってしまいました。そのとき、ダンナが(心配しつつも)ふだんと変わらずにそばにいてくれたおかげで、僕は自殺することもなく、社会復帰できるようになりました。(こちらに詳しく書かれています)

もともとHIV予防のボランティアとかもいっしょにやっていた僕らですが(なんせ、初めてのデートは「STD勉強会」です)、そんな出来事があって、メンタルヘルスの問題にも「他人事じゃない」という気持ちを抱くようになりました。

みなさんもそうだと思いますが、僕らの周りにも、やっぱりうつで苦しんでる友達がいて、ときどき相談に乗ったりしています。「うつとは脳のプログラムの故障。ふだんとは別人格になってると思ったほうがよい」ということをなかなか理解してもらえず、どうしても友達が離れていったりしがちなので、なかなか相談できる相手がいないようです。

僕自身もいろいろ相談に乗ってきましたが、最近はダンナのほうに電話がかかってくることが多かったりします。
ダンナは精神医学の勉強なんてひとつもしていませんが、もともと情に厚い人であり、過剰に動揺したりしない人でもあり、よき相談相手になっているようです。
そんなダンナを愛おしく感じるのでした。

HIVのことも、うつのことも、命に関わる問題です。
だからこそ、ダンナも自然な感情として「何かできることをしよう」と思うのだし、あれだけたくさんの人たちがボランティアで動き、素晴らしいコミュニティ活動を繰り広げているのです(PluS+というイベントが来週末、大阪であります)

この不況の時代、自分が生きてくことで精一杯、という方も多いとは思いますが、大切な友達のためにできることをしようというのは、その時々では大変なことかもしれませんが、きっと大きな目で見れば、しあわせにつながることじゃないかと思うのです。

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