▼拒食症に苦しみ亡くなったカレン・カーペンター
カレン・カーペンターは、兄と二人でカーペンターズを結成し、イエスタテーズ・ワンスモアなど、数々のヒット曲を出しました。グラミー賞を3度、受賞するなど、70年代を代表する歌手にまで、なったものの、拒食症に苦しみ、32歳の若さで亡くなりました。
▼音楽活動大成功の影に拒食症
彼女は、もともとふっくらしたティーンエージャーでしたが,16歳頃、水ダイエット(一日、2リットル程、水を飲むことにより、基礎代謝の向上など体質改善方法をはかるダイエット法)で10キロ近くやせました。
その後、兄と音楽グループを結成し、70年代前半には、Close to You、スーパースターなど数々のメガヒット曲をとばし、一躍、人気歌手になりました。
74年にはホワイトハウスに招待されて、演奏を披露するなど、彼女の音楽活動はこの頃、絶頂となるものの、甲状腺ホルモン錠剤(代謝を亢進させ、体重を減少させる作用を有す)や下剤などを大量使用していて、拒食症が進んでいました。
75年には、体調不良が元で、ヨーロッパ・ツアーがキャンセルされるなど、彼女の健康状態は悪化していき、とうとう、ラスベガスでのコンサート中、Top of the World を歌っている最中に、倒れました。その頃の体重は、わずか、37、8キロでした。
この、事件を契機に、彼女は、深刻な健康問題を抱えていることを悟り、医師やカウンセラーを訪れるようになりました。
▼拒食症克服と思われていたカレンが死に至った理由
以後、音楽の方も、徐々にヒットが少なくなっていき、82年には離婚しましたが、その頃には、体重も7~8キロ増加していて、拒食症は克服したものと思われていました。
しかし、長年の栄養不足、過剰な下剤の使用、睡眠不足などがもとで、心臓がすっかり弱ってしまい、83年にカリファルニアの両親の家を訪れている最中に心臓発作を起こして亡くなりました。
カレンの兄は、93年の雑誌のインタビューで、「妹がどうして拒食症になったのか見当もつかない」と語ってます。
▼食べればすぐ治るは間違い!拒食症は深刻な現代病
拒食症は、スリムな肉体を賛美する現代文化の犠牲ともいえ、若い女性に多い病気です。食べればすぐ治ると、軽く見られがちですが、上記のように深刻な顛末を迎えることもすくなくない深刻な病気です。
彼女の死亡が伝えられる前は、拒食症は、世間的には、ほとんど知られていませんでしたが、カレンの死は、全米に衝撃をもたらし、一般の人にも、拒食症が広く知られ、拒食症専門の病院も設立されるようになりました。
<注>上記の写真は、リメンバー・ザ・カーペンターズ(Amazon.co.jp)から引用しました。
<All About記事>
太るのがこわい??拒食症についての記事です。
太宰治の心の病?心の病気と有名人VOL1
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項
免責事項