カリスマ的ロックシンガー
ドアーズのジム・モリソン

カリスマ性の影には人生への絶望感が
カリスマ性の影には
人生への絶望感が
1943年、米国のフロリダに生まれたジム・モリソンは海軍高級軍人の父から厳格な躾を受けて育ちました。4歳の時に目撃したトラックの衝突事故は幼い彼の心に大きな傷跡を残しました。トラックの荷台に乗っていたアメリカ先住民のグループが路上に血まみれで倒れていたのでした。この事件後、ジム・モリソンは事故で亡くなったアメリカ先住民の祈祷師の霊が自分に乗り移ったと信じるようになりました。ニーチェの哲学と詩の好きな若者に成長した彼はUCLAの映画学科に進学しました。そこで音楽の才能豊かなレイ・マンザレク(後のバンドのキーボードプレーヤー)と出会いロックバンド、ドアーズを結成しました。ドアーズの名の由来は18世紀の英国の詩人ウィリアム・ブレークの詩の次の一節です。
'If the doors of perception were cleansed, things would appear as they truly are infinite.'
(知覚の扉が清まると物事の真実の姿が限りなく見えてくる。)


若者達のカリスマになるものの
薬物依存、目立つ奇行、そして27歳で急死

ジムの詩的な歌詞とレイの音楽の才能がマッチしてドアーズはアメリカを代表するロックバンドとなりました。時代はベトナム戦争と公民権運動の60年代。ジム・モリソンは権威への反抗を若者達に呼びかけカリスマ的存在となりました。ジム・モリソンのオーラに包まれたドアーズのコンサートは「すごかった」そうです。彼は私生活ではアルコールとドラッグに溺れてしまい、また奇行も多く、1969年にステージで性器を露出して逮捕されてしまいました。そして1971年にパリのアパートで急死したのです。死因は謎に包まれたままですがヘロインの大量摂取の為と噂されています。


ジム・モリソンの破滅的生活の背後には
人生に対する深い絶望感が

ジム・モリソンは大スターであったにもかかわらず絶えず人生に絶望していたようでした。どうして彼は幸せを感じることができなかったのでしょう?それを解明する為には彼の心の内面を探る必要がありますね。ここに彼に関する膨大な文献、ビデオクリップなどをもとに心理学者によって彼の心の内面が詳細に分析された「Living in the Dead Zone」という本があります。そこでは彼のトラブルの原因である絶望感は人生を生きていくうえで必要な孤独感とうまく付き合う資質に欠けている境界性人格障害の為であると結論されています。

ジム・モリソンの人生はカオティックで破滅的でしたが彼の音楽は死後も輝きを失わず年間100万枚以上売れ続けています。なお、上の本のタイトル「Living in the Dead Zone(死んでいる世界に生きている)」は著者の境界性人格障害のある患者さんが自己の絶望感を形容した言葉です。

<注>上記の写真は、ザ・ドアーズ ライブ・アット・ハリウッドボール(Amazon.co.jp) から引用しました。


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