緊急時のリスク対策していますか?
中小企業の最大のリスクは社長がいなくなること
答えは「社長がいなくなる」こと。交通事故で社長が急死してしまい、そのままつぶれてしまった会社がたくさんあります。
残されたメンバーで何とかできそうですが、それは体制が整った規模の大きな会社の話。中小企業では社長がトップセールスマンで、人脈などをフル活用して仕事をとってきます。社長がいなくなれば新規の受注がとれず、事業は先細りとなり廃業を選択せざるをえません。
社長は自分に何かあった時のために生命保険で個人保証の借入金を精算、助けてもらえそうな取引先のリストアップなど、後継が育つまでの時間を稼ぐことでソフトランディングできるよう手を打っておかなければなりません。
会社をとりまくリスクには他にもいろいろあります。阪神大震災のように突然襲ってくる自然災害、鳥インフルエンザなどパンデミックの発生、火事。
緊急事態が発生すると、損害を最小限にし事業を早期復旧させなければ余力が少ない中小企業では倒産してしまいます。緊急事態発生時に、事業継続できるよう仕事のやり方などを決めておくのが事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)。まさに備えあれば憂いなしです。
業務継続のポイントはIT依存度
緊急事態発生時、どの業務を継続するか決めておく
逆にいうと、どの業務を中断、縮小するかを決めるのです。経理部門であれば取引先への支払は継続しますが、社員の出張・交通費清算は中断します。
次に継続する業務のIT依存度を調査します。多くの業務ではITがなくてはまわりませんので、ITリスクがそのまま業務継続リスクになります。
地震で電信柱が倒れ電気が止まった、回線が切れてネットワークにつながらなくなった。電車が止まって情報担当の社員が出社できないという物理的なものもあれば、ハードウェア障害、ソフトウェアのバグなどの故障や外部からの攻撃、人為的ミスなど人にからむものまでいろいろあります。自然災害以外に日常的に起こりうるITリスクにも備えなければなりません。
阪神大震災の時に神戸周辺に本社やデータセンターがあった企業では、全てのコンピュータシステムを一瞬にして失いました。また古布を店舗とネットで販売していた商店では隣からの類焼で店舗もろともパソコンが燃えてしまい、顧客台帳などを全て失ってしまいました。店は再建できましたが、ネットのお客さん開拓はまた一から集めなければなりません。