規模の大きなシステム開発は中小ITベンダー
生産管理システムを構築したい、POS管理システムを導入したいなど、比較的規模が大きな案件であれば、いわゆるITベンダーへ依頼します。何名もの技術者がプロジェクトを組んで開発しなければなりませんのでSOHO事業者では対応できません。ただし、富士通やIBMなど大手ITベンダーに話をもっていっても、中小企業が考える金額とは1桁以上違うのが実態です。そこで地域の中小ITベンダーへ依頼します。IT業界の特徴は下請け構造になっています。中小ITベンダーには、ある程度の社員はいますが当然他の開発もしていますので、開発時点で空いている社員が開発を担当。人数が足りなければ協力会社に依頼します。なかにはオフシェア開発(海外の協力会社へ依頼)している企業もありますし、ひどい場合は社員1人だけで他は全て協力会社というケースもあります。
ITベンダーの見分け方
1.得意分野を確認する中小ITベンダーではオールマィティ開発は人員的に無理ですので、それぞれ得意分野を持っています。例えば組込みソフトに強い、データーベースに強い、iPhoneアプリに強いなどです。自社が頼みたい分野を得意分野にしているITベンダーへ依頼しましょう。
2.社長ブログをチェックする
社長ブログを開設しているITベンダーも多いので、社長の考え方などもチェックしておきます。検索エンジンで社名を入れて検索しても大手と違い風評が出てくる可能性は低いのですが、念のためにチェックします。
3.プロジェクトリーダーの資質を確認する
システム開発の要はプロジェクト運営にあります。全体を統括するプロジェクトマネージャには発注側の決裁権を持つ人物が就任しますが、 協力してもらうITベンダー側の開発プロジェクト・リーダーも重要です。業務経歴などのチェックはもちろん、リーダー就任予定者に会い、まかせられる人物かどうか目利きをしましょう。特に下請け構造体質の業界ですので、再委託先も含めて管理できる人物か確認します。
4.ITベンダーを見に行く
3S(整理・整頓・清掃)ができているかなどITベンダーを訪問して確認する
同じことをITベンダーで行います。ただ、ITベンダーの経営資源は設備ではなく「人」が中心となります。オフィスでも3S(整理・整頓・清掃)が基本です。机の上に書類が散乱し、ファイリングができていなければ駄目。このような状態だときちんと下請管理ができるのか疑問です。また様々なメンバーが集まったプロジェクトでシステム開発を行いますので、コミュニケーションが大切です。フロアを歩いている時に「いらっしゃいませ」と声もかけない、目礼もしない社員が多いITベンダーはやめた方が無難でしょう。
5.引継能力があるか
ITベンダーはSOHO事業者よりも規模が大きくなりますが、変更を依頼すると担当者が辞めてしまって対応できませんということが多々あります。社員の離職率はどれぐらいあるか、離職しても引継体制ができているか確認することも重要です。