コンサルタントで働く/コンサルタントの仕事

コンサルは、早く訪れるチャンスを生かす(3ページ目)

べリングポイント株式会社シニア・マネージャー奥井氏が語るコンサル半生とは?

執筆者:大石 哲之


--コンサルタントになって一番苦労したことは何でしょうか?

入社したての頃はやはり仕事の量の多さでしょうか。いろいろなプロジェクトで痛感しましたが、ゴールが決まっていたとしても、それに到達するための手段が決められているわけではないので、その手段を導き出すために、本当に一所懸命に働いていましたね。若かったからとはいえ、今考えるとゾッとするほどの労働時間でしたね。

そして、ある程度経験を積み重ねてくると、今度は自分でゴールを設定し、必要な手段を決めなくてはならなくなります。到達すべきゴールのレベルを妥協すれば、要する作業量が少なくて済みますが、それではクライアントに本当に満足していただける成果を挙げることができたのか疑問が残ります。逆に必要以上に高いレベルのゴールを設定すると、膨大な作業量が必要となりコストが膨らんでいく……ですからその「さじ加減」の部分で、かなり苦しみました。

今でいうと、自分の役割は若い人たちを指導する立場に変わってきているので、逆に自分が手を出せないもどかしさがあります。「もっと踏み込んでやってよ」とか「もっとクオリティ上げられるんじゃないの」とイライラすることもあります。

もちろん一人で全ての作業が出来るわけではないので、必要だと思うのは、それが出来るメンバーを育成し、そのメンバーに対して適切な指示、支援を行うことができるようになるということですね。自分の仕事をこなしながら、そうしたメンバーの指導育成にも力を入れていかないといけない。それが今一番大変だなって思います。
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